2016年の職場のトレンドランキング ~より時代にあった職場づくりのために知っておきたい10のこと~

従業員エンゲージメント

早いもので2015年も残すところ1週間を切りました。師走の12月どころか1年があっという間だったという方も多いかもしれませんが、今年も“職場のトレンド”は色々ありましたよね。インターンシップを採用する企業が増えたり、スマホによる採用活動が増加したり、働き方が多様になったり……。

私たちを取り巻く職場環境は年々大きく変化していきますが、では来年2016年は一体どんな年になるのでしょうか。アメリカの産業・組織心理学協会が毎年発表している職場のトレンド・トップ10、2016年版の結果をこちらでご紹介したいと思います。


第10位.:採用のプロセスにソーシャルメディアを使用する企業が増える

2016年はFacebookやLinkedInなどを、候補者のバックグラウンドや人柄などの確認に使用したり、ヘッドハンティングに使用したり……といった企業が増えると予想されています。

Facebookのプロフィールなどは非公開にしている人も多いのであくまで参考程度にしかなりませんが、それでも履歴書ではわからない一面が見られるという意味では使えるツールです。

日本リファレンスサービス株式会社の調査では面接以外の方法で採用候補者の調査を実施している企業は全体の72.1%、最も多いのは採用候補者のFacebookを見ることだそうで、こういった動きは2016年さらに活発になると思われます。


第9位:健全で多様性のある職場づくりをする企業が増える

2016年はより積極的にダイバーシティ(多様性)への認識を高め、受け入れる企業が増えると予想されています。日本でダイバーシティというとどうしても女性や外国人を雇用して、性別や人種などの外観的な違いだけで多様化するにとどまっているのが現状のように見えます。でも実際、外観的な違いだけでなく、価値観、宗教、社会的背景、性格などの内面などの違いを受け入れて活かしていくのがダイバーシティ。

企業は、この多様な集団の対立する意見をまとめながらも、それぞれの個性を活かすことができるリーダーをつくる、真のダイバーシティ・マネジメントのあり方を考えることで、企業の競争力として活かしていくことができるようになります。

ダイバーシティ・マネジメントの一例として、採用プロセスで多様性を尊重するのはもちろん、多様性のあるグループを効率よくまとめ成果を出したリーダーへの報酬システムを設けたり、従業員が多様性のある職場で無意識のうちに覚える偏見にどのように対応すべきかのセミナーなどを開いたり、ということを行うことで、より健全な職場環境を整えることができるようになります。


第8位. ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業がさらに増える

ここ数年でどこにいても仕事ができる環境が整ったことから、職場とプライベートの境界線があやふやになっています。そこで生まれたのがワーク・ライフ・バランスの問題。フレックスタイムなどのより柔軟な働き方などを提供することで解決につながるのか、さまざまな企業で議論や実験が行われ、より重要視されてきています。

ただ仕事に対する姿勢は世代によって大きく異なり、常にインターネットやソーシャルメディアでつながっている若年層はいつでもどこでも仕事をするのに抵抗がないのに対し、熟年層はその逆。従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すために、企業には、この世代によって異なるニーズをうまく管理し、よりあやふやになるワーク・ライフの境界線のバランスをとることが求められそうです。


第7位. ビジネスアジリティ(変化に素早く対応できる能力)とビジネスフレキシビリティ(変化に柔軟に対応できる能力)を重要視する企業が増える

競合の一歩先を行くには、変化に素早く対応できる力が必要です。それとセットになるのが柔軟性です。消費者のニーズが多様化し、その変化サイクルが短縮化している今、柔軟に素早く変化に対応することで、常に変化する顧客のニーズをいち早くキャッチし、商品・サービスに反映することができるようになるからです。リスクを恐れないこと、失敗から学ぶこと、素早く対応することで、変革が企業の一部となります。

企業にできることは、商品・サービス開発における工程を効率化させることや障壁をつくらないことに注力し、従業員がより素早く柔軟に革新的なアイディアを生み出せるような環境を整えることが求められます。


第6位:従業員のこころとからだの健康増進に注力する企業が増える

海外では福利厚生として会社にジムを設けたり、マッサージを提供したり、メンタルヘルスケアのための医療費やリフレッシュするためのアクティビティー費用を負担したりと、心身の健康増進のための試みが多く見られますが、日本でも労働安全衛生法が改正され、2015年12月1日より、ストレスチェックが義務化されました。これにより、より多くの企業が従業員の健康増進に積極的に取り組む企業も増えるのではと思いますが、心身共に健康な従業員は企業の活力や成長力を高めるのに欠かせないため、これに注力する企業が増えるのは納得できることです。健康で幸せな人の生産性はそうでない人よりも12%高くなるという研究結果もあります。健康で幸せであれば、会社を休むこともあまりなくなり、会社に対するエンゲージメントも高まります。従業員の健康のために会社はもちろん、自宅においてもできる福利厚生を考えてみてはいかがでしょうか。ただその福利厚生を従業員が利用しないと意味がないので、多くの従業員が魅力的に思えるものを考える必要がありそうです。


第5位:従業員エンゲージメントに取り組む企業が増える

これまでエンゲージメント・フォーラムでも、さまざまなアプローチでお話をしてきた従業員エンゲージメント、2016年はさらに取り組む企業が増えると予想されています。

従業員エンゲージメントを高めるには、「従業員共感」を獲得することが必要となります。そのためには、企業のビジョンやミッションを従業員にしっかりと伝え、浸透する努力が求められます。同時に、従業員に自社を好きになってもらうこと、すなわち「従業員愛着」を獲得するために、優れた従業員体験を提供することが必要です。これは、この会社で働いてよかったと思えるような制度を構築したり、従業員が一丸となれるようなイベントを行うことです。

従業員エンゲージメントが高まることで会社の存続や成長に貢献しようとする行動が起こり、より良いサービスの提供が可能となり、顧客満足とロイヤリティが向上し、健全なキャッシュフローが生まれます。結果従業員への還元が可能となり、従業員のモチベーションとロイヤリティが向上し、さらに良いサービスが生まれ、企業の「成長の輪」はどんどん大きくなるはずです。


第4位:パフォーマンス管理の形を変える企業が増える

2016年は、パフォーマンス管理へのアプローチを変える企業が増えると見られています。今までの判断材料は数字だけだったり、競合との比較だったりした企業も、今後は企業の中での成長、特に従業員の成長というところにフォーカスするようになりそうです。従業員の成長というのは、従業員同士が協力することで生まれる健全な職場環境や、よりよい製品・サービスの提供や、持続的成長の実現につながるもの。

パフォーマンス管理に必要なのは、より高いパフォーマンスを生み出すために何ができるか、上司と部下の持続的な会話や連携です。もちろん企業もパフォーマンスを高めるためにどのようなことができるのかを探る必要がありますが、シームレスなコミュニケーションが鍵となりそうです。


第3位:在宅勤務制度を導入する企業が増える

働き方が多様化する中、2016年は時間と場所にとらわれない在宅勤務制度を導入する企業が増えると予想されています。社内にいない従業員の生産性やエンゲージメントを維持するのは一筋縄ではいかなさそうですが、メリットは多くあります。例えば企業側は、交通費、事務所賃料などの大きい部分から、プリンターの印刷・紙代などの小さな部分までコストカットをすることができるようになります。従業員側は、通勤時の疲労軽減や時間節約などによる作業効率の向上など。

在宅ワーカーには業務時間内に仕事を終えてもらうことを絶対条件とするなどのフローの見直しを行うことで、無駄な残業もなくなり、より個人個人が自分のタスクを決められた時間内で効率よくこなすことが可能になります。


第2位:テクノロジーが仕事の形や職場の環境を変える

テクノロジーの発達により、仕事の形や職場の環境もどんどん変わっていくと思われます。もしかしたら従業員数を減らすことになるかもしれません。従業員に想像もつかないスキルが求められるようになるかもしれません。皆さんの職場はこの先どうなるのでしょう?

テクノロジーの発達はさまざまな自動化をもたらしました。これが近い将来、どのように事業に影響するのか、これから従業員に求めるスキルは何かと言ったことを考え、職場づくりをしていく必要があると考えられています。


第1位:ビッグデータの正確な解析から、的確な経営判断を行う企業が増える

昨今、経営判断などにおけるビッグデータの活用が注目されてきました。ただ、具体的な効果検証や予算確保が難しい、データ分析のノウハウがない、人材が不足しているなどの課題があるのも確かです。でも大企業だけでなく、中小企業でもそれぞれのニーズに応じてカスタマイズできるプラットフォームも増えたため、2016年は、ビッグデータに取捨選択、解析などを加えて、将来の見通しなどに活かそうとする企業が増えると予想されています。

以上、いかがでしたでしょうか。こちらであげた10のことを全て試すのは難しいかもしれませんが、できるところから検討し、より時代に沿った職場づくりを行ってみませんか?

参考:
http://www.siop.org/article_view.aspx?article=1467
http://w-kawara.jp/working-hours/rescue-company/