「客の好むものを売るな、客のためになるものを売れ」~真の顧客志向を近江商人の教えから考える

エンゲージメント

「客の好むものを売るな、客のためになるものを売れ」 

近江商人の商売十訓のひとつとして有名な言葉です。 

ここ数年、顧客志向という言葉がますます一般化してきた気がします。 「顧客志向」という言葉を「客の好むものを売る」と考えるか、「客のためになるものを売る」と考えるかが、企業の成長に大きな違いを作ります。 


「客の好むものを売る」顧客志向と「客のためになるものを売る」顧客志向の違い

顧客志向を、単純に「客の好むものを売る」「お客様目線で対応する」と理解すると、それは顧客迎合になり、お客様が望んでいるままを叶えようとなります。 

サービス業では、お客様の不満足はクレームとなり、今後の商売にとって大きなマイナスになります。 そのため多くのスタッフは、お客様が口にしている通りの希望を叶えることが優先であると理解し、その希望の由来まで深く洞察することをしません。 

しかし真の顧客志向は、「客のためになるものを売る」、つまりお客様自身も意識していない本当のゴールを、プロとして見定めてお客様のためになるものをオススメする、提供できるようにすることです。 


喧嘩しながら買ってもらったお客さまに感謝される

「客のためになるものを売る」と言葉でいうのは非常に簡単ですが、実行は本当に難しいです。
サラリーマン時代に、喧嘩しながら買ってもらったお客さまから後日お礼をいただき、本当に幸せを感じたエピソードがあります。 

当時、私はMacintoshをデザイン事務所へ導入する提案営業をしていました。情報収集に熱心でトレンドに敏感なお客さまはいち早くMacintoshを活用する有効性に気がつき、次々に導入をしてもらいました。 

しかし、中には今までのやり方を変えようとせず、古くからのドローイングペンで線を引くことにこだわる方もいました。Macintoshを使えば、従来より効率よく迅速にデザインを制作できるのに、目先の忙しさを優先して導入を先延ばしにしていました。 

そこで私は、手を返え品を変え、なだめすかし無理やりMacintoshを買ってもらいました。 お客さまには最初は騙されたと叱られましたが、一年後には「お前のお陰だった」と感謝されたという経験があります。 


真の顧客志向を実現するための2つのハードルとは?

自慢話のようになってしまいましたが、その時の自分は心底お客さまのためという使命感を持って取り組んでしいました。 

しかし、このように「客のためになるものを売る」ためには2つのハードルがあります。 

1つ目はお客さまに、その商品・サービスが自身のためになると気づいてもらえないこと。 
2つ目は担当との信頼関係が出来ていない場合は、お客さまのための提案ではなく単純に売り込んでいると受け取られてしまうことです。 

いかにこのハードルを越えていくかは、個人レベルの話にしてしまうのではなくエンゲージメント手法で解決できるようにしていければと思う。 

今後は、このような真の顧客志向を、個人レベルではなく組織として実施できる手法・ノウハウの確立に取り組んで行きたいと考えています。


真の顧客志向と継続的な企業成長を実現する「エンゲージメント」とは?
下記のPDF資料でも紹介していますので、興味がある方はぜひお読みください!