アップル vs サムスンの数字に見る、顧客ロイヤリティと顧客満足度の関係性

顧客ロイヤルティ

ライバルとして頻繁に比較されるアップルとサムスン。サムスンにとってアップルは部品ビジネスでは顧客なのに、スマートフォンではライバルという関係。サムスンは過去にキャンペーン動画でアップルを挑発したこともありますが、それにとどまらず世界的な訴訟合戦を展開するまでになりました。両社はいがみあう犬猿の仲なのでしょうか、それともあくまでビジネスライクな関係なのでしょうか。

近年のスマートフォン市場は、中低価格帯で中国などの新興国メーカーが台頭し、高価格帯ではアップルのiPhoneが好調。全価格帯での商品展開を行うサムスンのシェアは減少しているように見えましたが、2015年初頭に新興国で発売した中低価格帯の端末の販売が好調で、最近の不振の原因の一つとなっていたスマートフォン事業が改善する兆しが見えてきた様子。

とは言え、現時点ではスマートフォンの販売においてアップルや中国メーカーの攻勢を受けている印象のあるサムスン。売上といったハードな部分では押されていますが、顧客ロイヤリティや顧客満足度といったソフトな部分ではどうなのでしょうか。


アップル vs サムスン 軍配はどちらに?

WEBアンケートツールを提供するSurveyMonkey社が2014年の10~12月に、5000人の消費者を対象に行った調査によると、顧客ロイヤリティ(NPS®)調査においてサムスンが35点、アップルが28点を記録し、業界ベンチマークの19点を大きく上回る結果となりました。(下記表参照)

顧客ロイヤリティ(NPS®)調査

(マイクロソフトの極端に低いスコアが気になりますね)

顧客ロイヤリティではサムスンの勝ちでしたが、顧客満足度ではどうでしょう?(下記表参照)

150501_Satisfaction

アップルの顧客満足度は41%となり、サムスンの25%を大きく上回りましたが、業界ベンチマークが75%であることを考えると、まだまだ改善の余地があると言えます。


顧客満足の先にあるものが顧客ロイヤリティ?

同義で捉えられることの多い「顧客満足」と「顧客ロイヤリティ」、実際は別のものだと理解する必要があるように思います。

●顧客満足
「顧客満足」とは、顧客が企業・ブランドの提供する商品・サービスに満足した状態を指す言葉。その度合いを指したものが「顧客満足度」です。

●顧客ロイヤリティ
「顧客ロイヤリティ」とは企業・ブランドそのものや、商品・サービスに対する強い思い入れを指す言葉。思い入れがあるからこそ、商品やサービスをリピートしたり、友人・知人に薦めたり(口コミ)……という行動が生まれます。これは満足していることが大前提ですが、満足しているだけではこのような行動を起こすに至りません。顧客ロイヤリティとは、顧客の思考や感情に働きかけるもの(マニュアルを超えた感動体験など)が満足感にプラスされることで生まれるものではないでしょうか。

そう考えると、顧客満足の先にあるものが顧客ロイヤリティだと言えると思います。満足度の高い顧客は単なる「顧客」の域を超えませんが、ロイヤリティの高い顧客は「ファン」であるということ。

ということは、ロイヤリティの高いサムスンの方が、アップルよりもリピートや口コミをしてくれるファンが多いということなのかもしれないですね。

「企業の売上の65%は既存顧客がもたらし、1人の新規顧客を獲得するコストは、1人の既存顧客をつなぎとめるコストの5倍かかる」(ガートナー)と言われています。企業やブランドは、既存顧客のロイヤリティ向上のためにできることを、優先的に考える必要があるのではないでしょうか。

参考: http://www.sammobile.com/2015/04/07/samsung-tops-apple-in-consumer-loyalty-according-to-surveymonkey-report/