日本の接客術を世界のスタンダードに! ブランド・ロイヤリティと従業員エンゲージメントを高める「ヤマハ・テクニカル・アカデミー」

エンゲージメント

皆さんは海外に行って、現地の人の接客に驚いたことはありませんか? 例えば買い物をして商品をレジまで持って行った時、ガムをくちゃくちゃ噛みながら面倒くさそうにレジ打ちをする店員さんだったり、対応しながら店員さん同士でプライベートな会話をしていたり……。これ、海外だとよく目にする光景です。だから海外から戻ると、どこに行っても丁寧な日本人の接客に、「やっぱり日本最高!」なんて思ったりして。

でも最近では、丁寧なだけでなく、期待を超えるサービスを提供して満足度を高める日本流の接客術が外国人にも知られるようになりつつあります。そんな日本の接客術を以前から世界中でスタンダードとしている企業がヤマハ発動機株式会社(以下ヤマハ)。同社の取り組みは一体どういうものなのでしょうか。

整備士の技術と接客術を磨く「ヤマハ・テクニカル・アカデミー」

ヤマハには、世界中の二輪車整備士(ヤマハでは「サービスマン」というタイトルがついています)が共有する“One to One Service”(プロフェッショナルな整備技術を用いて、お客様一人一人とより良い関係を築くこと)という指針があります。この指針のもと、「世界中のヤマハ販売店で、どこでも均一で高品質なサービスが受けられること」を目的に、お客さまの期待を超えるサービスを提供しようと、独自の世界統一基準による整備士教育プログラム「ヤマハ・テクニカル・アカデミー」(以下YTA)を2000年より導入。「高い技術」だけでなく、「感動する対応」、「わかりやすい説明」について学び、技術と接客術を同時に磨くことができるようになっています。

2014年10月現在、42拠点・約33,000人が認定整備士としての資格(ゴールド/シルバー/ブロンズ)を有し、YTA基準を満たした整備やサービスを世界中で提供しています。また、彼らは新しい整備士がチームに加わると必ず指導・育成を行うようなのですが、こうすることでどの国でもサービスの高い質が均一に保たれるようになりますね。

日本の二輪車の市場は決して大きくありません。でも海外、特に最近では新興国や途上国での躍進目覚ましく、ヤマハをはじめ、日本の二輪車メーカーはこれらの国々でシェアの拡大を続けています。日本の二輪車が外国人に好まれる理由、それは、性能の高さ、安全・安心性の高さ、故障の少なさなどに加え、部品供給の迅速さや、修理対応の丁寧さなどにもあるようです。YTAのような教育プログラムは安心と信頼のアフターサービスをお客様に提供し、ブランド・ロイヤリティを高め、新規・既存顧客の獲得・維持に貢献しているのではないでしょうか。

全世界の整備士がサービス技術を競う「ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ」

ヤマハでは2年に1度、世界各国の二輪整備士がサービス技術を競い合う「ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ」を開催しています。整備士の技術力向上とグループ全体の意識高揚を図り、お客様により良いサービスを提供することで満足度を高めようという目的で開催されている本大会、今年は930日〜101日の2日間、世界18の国と地域から選抜された整備士が参戦。

ヤマハには、修理などで販売店に愛車を持ち込んだお客様に対し、部品の流通や整備員の作業状況から、お客様にいつ車両を戻せるのかをその場で見積もりし、その日にお戻しすることを約束する「タイム・コミットメント・サービス」というものがあります。本大会にもこの要素を盛り込み、「整備知識競技」「基礎整備技術競技」「故障診断競技」「お客さま対応競技」の4項目をお客さま視点で審査し、その総合得点でチャンピオンが決定しました。

スポーツモデルクラスで優勝したスペイン代表のトーマス・カンデラ・サンチェさんは、

「4年前にこの大会の存在を知り、以来いつの日か世界大会に出場したい、日本に行きたいとずっと思っていましたので、その夢が叶いとにかく嬉しいです。実は、この春に事故で腕を怪我してしまい、万全の体調ではないままに臨みました。2ヵ月ほど実践からはなれていましたが、7月に復帰後、教材提供などヤマハからのサポートも受けながら、店でも家でも本大会出場のために練習を繰り返してきました。 これからは世界No.1のヤマハメカニックとして誇りを持って仕事に励みたいと思います。特に今大会を通じて接客の重要性を実感。店に戻ったら受付担当者にもCSの大切さを伝え、お客さまの期待を超えるサービス提供に務めたいと思います」

とコメント。本大会がYTAで勉強するモチベーションとなり、お客様に満足していただくことの大切さを再認識し、周りにも伝えていきたいとさらにモチベーションが上がった彼。きっとYTAを通して会社のビジョンやあり方に共感し、サポートをしてくれる会社に愛着を感じながら仕事を続けてきたのではないでしょうか。そんな彼のような社員がいるヤマハは、従業員エンゲージメントも高いに違いありません。こうして従業員エンゲージメントが高まることで、サービス品質向上、離職率の低下、雇用・教育コストの削減などにつながり、それが、顧客数の増大、顧客離反率の低下、売上・利益の拡大、持続的成長をもたらすはずです。

ちなみに、ヤマハのような整備員が技術を競う世界大会を定期的に開催している二輪車を含む自動車メーカーは、日本ではヤマハ以外ほとんどないそうです。でもこうした世界で一貫した教育プログラムを経営に活かすことができてはじめて、真のグローバル企業になれるのかもしれないですね。

引用:
http://global.yamaha-motor.com/jp/news/2014/1006/wtgp.html
http://news.bikebros.co.jp/topics/news20141007-03/
http://www.aninews.in/newsdetail3/story186493/customer-satisfaction-remains-of-utmost-priority-for-japanese-firms.html