アマゾンの“ノリノリ“なカスタマーサービスに見る、顧客ロイヤルティの育て方

顧客ロイヤルティ

最近海外のネット上で話題となっていたのが、米アマゾンを利用したお客様とカスタマーサービス担当とのこちらにアップされているチャットの内容。なぜ話題になったのかと言えば、担当者の名前が北欧神話に登場する雷神トール(映画やゲームなどでも登場しますね)と同じだということにお客様が反応し、そこからまるで神々のような口調の会話が始まったから! フレンドリーに始まり、神々しく進み、またフレンドリーに終わる、そんな思わず笑ってしまう会話の内容を見てみましょう。

お客様:配送状況を確認したら「配達完了」とあるけれど、受け取れていないんだよね。
アマゾン:いつもご利用いただきありがとうございます。私の名前はトールといいます。
お客様:こんにちは。名前がトール!? じゃぁ僕はオーディン(戦争と死の神と呼ばれるトールの父親)ということでもいいかな?
アマゾン:オーディン、父上。この素晴らしい日にご気分はいかがでしょうか。
お客様:トール、息子よ。私の人生に苦しみがもたらされたのだ。
アマゾン:何と残酷な! 万能の父オーディンに盾突くものがいるとは信じられません!
お客様:敵を倒すのに必要な書物を手に入れようと遣いを立てたのだが、何者かに先を越されてしまったようなのだ。あの聖なる書物なくしてヴァルハラ(オーディンの宮殿)をどう守ればよいというのか!
アマゾン:なんという神への冒涜! その書物がどこにあるにしろ、私が命を懸けて父上の元に持ち帰ります! 恐らくロキ(悪戯好きの神)の仕業ではないかと思うのですが、彼をそのような罪に問うことはやめておきましょう。父上がこの探求に費やした財産は私が代わりにお返ししましょう。そして書物を無事父上に届けるべく、新たな旅に出るとしましょう。
お客様:さすがは我が子。
アマゾン:父上、まずは我々の同盟者と共にこの使命を果たすまで、時間を与えてはいただけないでしょうか。
お客様:よろしい。ただし、この書物に運命(成績)がかかっている人間のために行うのだ。
アマゾン:承知いたしました。父上の財産は今宮殿へお届けいたしました。次に、書物が元に戻るよう、保管庫を元に戻していただけないでしょうか。その後すぐ、ワルキューレ(オーディンに仕える武装した乙女達)に書物を持って、天馬で父上の元に駆けつけるよう申し伝えます。
お客様:ロールプレイはこのくらいにして……。要するにすでに返金されていて、再注文すればいいっていうことなんだよね?
アマゾン:アハハ。その通りです。すでに返金されていますので、お手数ですが再度ご注文ください。
お客様:あー、よかった!
アマゾン:すでに再注文いただけましたか?
お客様:ちょっと待ってね……。はい、完了!
アマゾン:少々お待ちを。これでいかがでしょう? 
お客様:あ、明日の到着に変更してくれたんだ!助かるな! 
アマゾン:早く本を届けないといけないですからね!
お客様:アマゾンのカスタマーサービスが最高とは聞いていたけど、今回の対応がその証明だよ! マジ助かった!
アマゾン:ノープロブレム! 他に何かできることがあれば何でも! 
お客様:大丈夫。本当にありがとう! 
アマゾン:お安い御用で!良い一日をお過ごしください。オーディン、さようなら。
お客様:さらば息子よ。
(以上抄訳)

2人の北欧神話に関するももちろん、息ぴったりのやり取りに驚きます。お客様が、このノリノリかつ迅速で満足のいく対応に感動し、思わずインターネット上にやり取りを掲載してしまった心境、理解できますよね。

でもこの担当者の応対は、満足度向上だけでなく、ロイヤリティ向上にもつながったのではないでしょうか。ただ満足度が高いだけのお客様は、他社のより魅力的な製品・サービス・価格を見るとすぐその“誘い”に乗ってしまいますが、満足度に加えロイヤリティも高いお客様は、商品やサービスに愛着を持って、リピート購買、アップセル、クロスセル、周りへの好意的な口コミといった行動を起こしてくれます。今回の件で言えば、インターネット上にやり取りを公開したことで、アマゾンのサービスの高さの口コミをしてくれるという結果になりましたよね。

このようなお客様のことを、お客様満足測定の指標、NPS®(ネットプロモータースコア= Net Promoter® Score:顧客推奨意向)では「推奨者」と呼びます。推奨者と呼ばれるロイヤリティの高いお客様を増やすことが、顧客数の増大、顧客離反率の低下、売上・利益の拡大、持続的成長といったプラスの連鎖を生み出します。皆さんも愛着が生まれやすい商品・サービスの提供のために何が必要なのか、一度じっくり考えてみませんか?

引用:http://www.huffingtonpost.com/2014/08/28/amazon-thor-customer-conversation_n_5725706.html