エンゲージメント構築のためのNPS中級レッスン~NPSってどう使えばいいの?~

NPS

トータル・エンゲージメント・グループで企画を担当してます、なかやといいます。
今回からシリーズで「エンゲージメント構築のためのNPS 中級レッスン」という記事を連載していきます。

わたしたちは「Net Promoter Score (NPS)」という指標を顧客ロイヤリティや従業員ロイヤリティの計測での利用をオススメしていますが、NPSや「究極の質問」とはどんなものか、だいたい説明できるくらいにはご存知ですか?

YESと答えたあなたは、いろんな話を聞いたり、本やWebの記事を読むほどに、NPSを実際に使ってみたいと思っているのではないでしょうか?
もしかすると、もう、お客様向けのサーベイなどで使ってみたことがあるかもしれませんね。

しかし、使ってみて、あることに気付いたのではないでしょうか

「推奨者の率から批判者の率を引き算して・・・おっ! これが我が社のNPSか!! ・・・って・・・ん? そんで?」

「推奨者が◯%で、批判者が⬜︎%になりましたあ!!!・・・ん? この結果って、いいの? わるいの? どっちなの?」

なんともピンとこない感じになってしまう。
・・・あなたは、そんな体験をしてしまったおひとりではないですか?

「エンゲージメント構築のためのNPS 中級レッスン」
は、そんなみなさん・・・NPSに興味は持ったけれども、いまひとつピンとこない、という方々に、NPSの有益な使い方をお伝えするための連載です。


NPSが表す数値とは

まず、ひとつ質問をさせてください。

NPS(究極の質問)は「親しい人にオススメする可能性」を聞いて、0〜10のスコアで評価してもらい、スコアに応じて推奨者・中立者・批判者に区分けします。
この区分けがNPSの重要なポイントなのですが、

この区分けによって顧客の「◯◯◯◯◯」がおおよそ予測できる。

と言うことができます。
いったい、◯にはどんな言葉が入るでしょうか?

   ↓
   ↓
   ↓
   ↓

いろんな言い方があると思うのですが、

この区分けによって顧客の「未来の行動」がおおよそ予測できる。
この区分けによって顧客の「継続利用性」がおおよそ予測できる。

などが正解だと思います。

NPSを編み出したベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルドのチームはおよそ10年にわたるフィールドワークの結果、この方法を見つけたと、書籍「究極の質問」で紹介されています。
究極の質問の回答をもとに顧客を3つのグループに分けることで、それぞれのその後の行動(継続利用、他者への推奨)との高い相関がわかったのです。

NPSが上がるということは、企業にとって好ましい消費行動をする顧客層(推奨者)が増えて、好ましくない消費行動をする顧客層(批判者)が減るということ。NPSが下がるのはその逆のケースです。

実際に数多くの企業がNPSを活用し、業績(売上や利益)との相関はビジネスの現場でも明らかになっています。理論や一企業の事例だけでなく、数多くの企業が利用して業績との相関の高さが証明されている、というところが、NPSの人気の秘密なのだと思います。

ちょっと考えると、これ、とってもすごいことだと思いませんか? 製品やサービスを利用した顧客に事後感想を1問だけ聞き、それらの回答を集計するだけで、業種を問わず未来の企業業績の上がり下がりが予測できるんです。高価な経営管理システムを使わなくても、アンケート用紙ひとつ、無料のWebフォームひとつでわかってしまうんですから。

「顧客の未来の行動をおおよそ予測できる」という特徴から活用法を考える


この「究極の質問の回答スコアから顧客の未来の行動がおおよそ予測できる」という特徴を理解すると、活用の幅が広がります。
推奨者の割合から批判者の割合を差し引きした指標「NPS」はこの特徴の活用法のひとつ、と言っていいのかもしれません。

ほかには、たとえば、このような利用の方法が考えられます。

顧客がどのようなプロフィールの方で、製品やサービス利用に際してどのような体験をしたのか、といったことを究極の質問と同時に聞き、スコア(0〜10点)との関係を検証します。
すると、

・特定のプロフィールの属性とスコアとの関係性
・製品やサービスの特定の利用体験とスコアとの関係性

などを知ることができます。

たとえば、飲食業で「入店時に笑顔で挨拶をされたかどうか」がスコアとの関係性が密である、とわかれば、その体験の質を向上させることがNPSを効果的に向上させることができるということになります。
すなわち、徹底的に実践することで効果的に企業業績を向上させることができる、ということになります。

こうした関係性の分析は統計的に行われるため、調査が確かであれば、大小は自動的に数値化できますし、そこから導かれる課題の優先順位も判明します。
優先課題から順に解決してゆけば、効果的に企業業績を向上させることができる、というわけです。


「社の課題が山積していて、どこから手をつけるべきか絞り込めない」
と思案される経営者、
あるいは
「上からは、あれやれ、これやれ、という指示ばっかり。本当にそれやる意味あるの?」
とお嘆きの中間管理職の方々をサポートする力強いツールになるはずです。

まとめ~NPSってどう使えばいいのか~

今回、ご紹介したのは、「究極の質問のスコアが顧客の未来の行動とリンクしている」という特徴を活用した一例です。

究極の質問と顧客体験を同時に調査する究極の質問の回答とCRMのデータを突合させる、など「企業業績を向上させる一手」を明らかにする手法は他にも色々あります。

どうでしょう?
  なんとなく便利そうだけれど、いまいち活用法がピンときてなかった指標NPSを、具体的に活用できるかもしれないという気持ちになってきたのではないでしょうか?

この連載では、NPSの活用の「いろは」を紹介してゆきたいと思います。
次回は「NPSを比較すること」についてお話したいと思います。