「一生の思い出」に残る感動を顧客に提供する「武蔵境自動車教習所」の取り組み

顧客満足度



JR中央線・武蔵境駅から徒歩5分の便利な場所にある「武蔵境自動車教習所」は、1960年設立の自動車教習所です。

同教習所は、私たちが従来の自動車教習所に対して抱きがちなネガティブなイメージをくつがえす、斬新で、かつ「おもてなしの心」にあふれたサービスを展開。とりわけ女性に大評判の教習所として、経済産業省の「おもてなし経営企業選」にも選出されています。

●驚異的な高さの顧客満足度とトップクラスの実績

武蔵境自動車教習所が実施した「顧客満足度調査」の結果(2011年度入所者対象)では「非常に良かった」(75.6%)との回答が4人中3人を占めています。さらに「良かった」(22.5%)の回答を合わせると、実に98.1%が満足と回答していることになります。

 そして、過去10年以上にわたって、自動車教習所の激戦区と言われる中央線沿線・西武新宿線沿線では入所者数トップ、東京都内でも常にトップ3に入る実績を継続して残してきているのです。しかも、入所者の半数以上が紹介によるものということですから、仮にNPS(Net Promoter Score)-ネットプロモータースコア-(顧客の友人・知人への推奨意向を元に算出する満足度指標)を実施したとしたらとんでもない高い数字が出るに違いありません。

pikku看板

<イメージキャラクターのPikku(ピック)が来所者を迎えてくれます>

●「自動車教習所は、教育業ではなくサービス業である」

さて、武蔵境自動車教習所も以前はご多分に漏れず、あまりサービスのパッとしない教習所だったそうです。そして、入所者数の低迷に苦しんでいたのです。しかし、現会長の髙橋勇氏が社長に就任した1989年が同教習所の大きな転機となりました。

髙橋氏は、

「自動車教習所は、教育業ではなくサービス業である」

という信念に基づいて経営改革に着手したのです。

同社の経験理念は「共尊共栄」という言葉で端的に表されています。これは、

共に認め感謝し、共に学び成長し、共に豊かになる

ということを意味しています。

 武蔵境自動車教習所のミッション(使命、存在理由)

お客様に感謝し、地域社会への貢献がわが社の発展の源であるという自覚に立ち、快適な車社会を創造し、豊かな社会をつくる

 武蔵境自動車教習所のビジョン(実現したいこと)

  お客様の一生の思い出を創る会社になる

  1. わが社は社会に貢献し 無くてはならない企業となる
  2. わが社は常に革新・改革を行い 最高のサービスを提供する
  3. わが社は仕事を通して人財を育て 社会に貢献する企業となる

<4代目社長、 span="">髙橋明希氏の決意。>

●「一生の思い出」になる斬新なサービスを提供

同教習所が掲げるミッションやビジョンは単なるお題目ではありません。現場でのサービスにきっちり展開されています。

例えば、入所者に大人気なのが教習の待ち時間など気軽に利用できる様々なサービスです。

ネイルケア

ネイルサービス、ハンドマッサージ、癒しマッサージ、ハワイアンヒーリング、カラーセラピーといった癒し系のサービス。

 

 

                             

英会話教室

さらには、英会話教室、メイク教室、キャンドル教室、バスボム教室、ヘアアレンジ教室などの学び系サービス。

 

 

 

これらは「サカイパラダイス」という総称で提供されていますが、それぞれわずか100円で受けることができます。

マンガライブラリー

またドリンクサービス、マンガを揃えたマンガライブラリーは無料で利用可能。

 

 

 

入所された人たちにとっては、自動車免許が取得できるだけでなく、

楽しい思い出が生まれる場所

ともなっている同自動車教習所。まさに、

“お客様の一生の思い出を創る会社になる”というビジョンを実現している

と言えるでしょう。

●お客様に感謝する気持ちを行動に結びつける取り組み

また、“お客様に感謝し”というミッションも現場の行動へつながっています。

ひとつの例は「ありがとうカード」です。

「ありがとうカード」は当初は、社員・スタッフ同士で認め合う、称えあう文化の醸成を目的として導入されたものです。しかし、同教習所ではいつしか「お客様にも感謝の気持ちを伝えたい」ということから、インストラクターが教習の終わりなどにお客様にお渡しするようになりました。今回、取材にご協力くださった稲益健二氏によれば

「前回よりもずいぶん上達しましたね、がんばってくれてありがとうございます!」

といった内容とのこと。

自動車の運転を学ぶのは最初は当然うまくできないわけですから、インストラクターから見れば、どうしても「減点主義」になりがちです。「後方・左右確認ができていない」「標識の意味がすぐにわからない」などできていないことを指摘しなければなりません。だからこそ、自信を失いがちな入所者を励まし、元気づける「ありがとうカード」は絶大な効果を発揮しています。稲益氏によれば、現在入所者に渡されるカードは月間合計8,000枚にも上るとのこと。

そして、最近では「卒業アルバム」の制作も開始。これは、卒業検定時に撮影した写真を当日現像し、インストラクターのメッセージとともに卒業生1人ひとりに手渡しするもの。このアルバムには、「ありがとうカード」を保管できるポケットがあり、「いつでも遊びに来てください」というコメント付きのスタッフの写真も掲載されています。

卒業アルバムの制作には手間もコストもかかりますが、だからこそ卒業生に対して「心からの感謝」を伝えることができるのです。

●15,000人が集まる「サマーフェスティバル」

サマーフェスティバル花火 resized 600

“地域社会への貢献がわが社の発展の源である”というミッションへの取り組みとしては、地域の一大イベントとなっている「サマーフェスティバル」が挙げられます。

教習コースを全面使い、社員・スタッフ総出で準備・運営するサマーフェスティバルでは花火も打ち上げられ、現在は周辺から15,000人もの来場者があるそうです。

 

同自動車教習所では、サマーフェスティバル以外にも、近隣の小学校に出向いて行う交通安全教室「キッズセーフティパーク」や、出店者を近隣の方から募る「フリーマーケット」の開催、年末の「もちつき大会」など、地域にとってまさに“社会に貢献し、無くてはならない存在”になりつつあると言えるでしょう。

●感動を呼ぶ社員・スタッフの思いやりにあふれたコミュニケーション

さて、入所者と直接接点のある受付スタッフの皆さんの親切で思いやりあふれた対応、またインストラクターの優れた指導力と気さくで親しみやすい振る舞いもまた入所者の感動を呼ぶものとなっています。

こうした優れた人財を育て、高いサービス水準を維持できる秘密のひとつが、現社長、髙橋明希氏が社長就任後に始めた朝礼です。朝礼では、1週間のテーマについて各自が自分の考えを事前にまとめておくことが求められています。テーマとは例えば、「チームワーク力を高めて、お客様によりよいサービスをするにはどうしたらいいか」といった日々の業務改善顧客満足向上につながるようなものです。

そして朝礼では、何名かの社員・スタッフが自主的に挙手し、テーマについての自分の考えを朝礼出席者全員の前で語るのです。

朝礼においては、元気な挨拶、聞き取りやすい会話ができるように滑舌をよくする挨拶・発声練習、自然な笑顔ができるようになるための表情筋のトレーニングも欠かさず行いますが、それだけでなく、

「お客様に感動を与えるためにはどうすればいいか」

を社員・スタッフ一人ひとりが自分自身で考えて実行できるようになることを大切にしているのです。また、社員同士でも部署の壁を越えて語り合い、お互いに握手しあうスキンシップを通じてチームとしての一体感を醸成しており、以前よりも格段に社員間コミュニケーションが改善し、士気が上がって従業員満足も向上したとのこと。そして、同自動車教習所の朝礼は、今や全国の企業が見学に来るほど有名なものになっています。

こうして、武蔵境自動車教習所は、今や入所された方から

「心からのありがとうの言葉に感動しました」

といった感想をいただけるまでになったそうです。

稲益氏は、

「お客様の期待水準が年々高くなっているので、感動してもらえるような期待を超えるサービスを提供するのはますます難しくなってきています。でも、どうやったらお客様が喜んでもらえるかを考えるのは楽しいですよ!」

と語っています。

今、武蔵境自動車教習所は「ありがとう経営」をスローガンに掲げて、「100年続く企業」を目指しています。

稲益健二氏

 

〔会社概要〕

株式会社武蔵境自動車教習所

設 立: 1960年8月1日

所在地: 東京都武蔵野市境2-6-43

代表取締役社長: 高橋 明希

従業員数: 110名(2013年6月現在)

Webサイト: http://www.musasisakai-ds.co.jp/

東京車人スタッフブログ: http://musasisakai-ds.co.jp/mobile/blog/

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経済産業省『おもてなし経営企業選』株式会社武蔵境自動車教習所(PDF)