顧客ロイヤリティ向上のため、Appleが“最高峰のおもてなし”で知られるホテルから学んだ5つのこと

顧客エンゲージメント

一昔前だったら、Apple製品はデザイナーかマニアが使うもの……なんていうイメージがありましたが、iPodで人気が出て、iPhoneが爆発的に売れ、その波及効果でその他のApple製品も一般ユーザーがこぞって使うようになりましたよね。iPhoneの新モデル発売日にApple Storeに行列ができるのは恒例となり、かつてのドラクエ発売日を彷彿とさせるほど。


そんなApple Storeを訪れると、まず驚くのがスタッフの多さ。「すみませーん!」なんて大声をあげたり、わざわざ探しに行かなくても、フレンドリーな笑顔で「何かお手伝いできることはありませんか?」と声をかけてくるスタッフに安心感や信頼感を覚えるもの。何度か訪れたことのあるGenius Barでは、何を聞いても答えが返ってくるのはもちろん、時間をかけてじっくり説明をしてくれるGeniusと呼ばれるスタッフに、「何だかホテルのコンシェルジュみたい」と感動・感心したもの。

製品というハード面だけでなく、サービスやおもてなしといったソフト面でも最高の体験を提供してくれるApple、実は顧客ロイヤリティ向上のため、最高峰のおもてなしで知られるリッツ・カールトンの手法をApple Storeの接客に取り入れたといいます。その手法とは一体何だったのでしょうか。

 

①お客様を温かい心からの挨拶でお迎えする

リッツ・カールトンのクレドにも書かれているというこちら、基本中の基本かもしれませんが、それを実践するApple Storeのスタッフはとにかくフレンドリーな笑顔が魅力! お店に足を踏み入れた瞬間の元気で爽やかな挨拶には、お店にいることのワクワク感を増幅してくれる不思議な力があります。

 

②お客様が言葉にされない願望やニーズを先読みする

こちらもリッツ・カールトンのクレドに書かれているもの。例えば同ホテルでは、ルームサービスのお食事を届けた時、テレビの向きをお客様の座るテーブルの方へ向けるなど、ちょっとした配慮をあらゆる場面で感じることができるようになっています。Apple Storeもこの精神を確実に継承していて、以前MacbookをリカバリするついでにOSもアップグレードしてもらったことがあったのですが、その時「以前使っていたものとどんな違いがあるんだろう。まぁ使ってみれば分かるかな」なんて思っていたら、何も言わなくても時間をかけて詳しく説明してくれたGenius。かゆい所に手が届く気遣いがさすがでした。

 

③心をこめて感じよくお客様をお見送りをする

リッツ・カールトンのスタッフは、お見送りの際には“感じよく”、そしてできるだけお客様のお名前をお呼びすることを心得ています。Apple Storeもこれを見習い、感じのよいお見送りと、また近いうちに来ていただけるようなコメントを添えることができるようスタッフを教育しているのだとか。例えば「またどうぞ何かありましたらいらしてください。お客様は美しいお写真を撮られますよね。iPhotoのお客様の新しいアルバムを見てみたいです」といったようなコメントで。こんなことを言われたら、ついつい嬉しくなって「あの人にまた会いたい」と思ってしまいますよね。

 

④お客様にきめ細やかなサービスを提供する

リッツ・カールトンのスタッフにレストランやジムなどの場所を聞くと、近くまで連れて行ってくれるのだとか。これは、お客様に楽しく思い出に残る時間を過ごしていただこうという気持ちがあってのこと。例え自分の担当外のことであっても、お客様のためにと動くのが同ホテルのスタッフ。Apple Storeのスタッフは、もしお客様に質問されたことが自分の担当外だった場合、担当のところまで案内しどんなことでお困りかを伝え、お客様がお帰りの際には「問題は解決されましたか?」と聞きにいくような対応をするそうです。

 

⑤“体内時計”をリセットする

リッツ・カールトンでは、「体内時計をリセットする」ことで、お客様が実際に感じる待ち時間を変化させる努力をしています。体内時計をリセットするというのがどういうことかというと、例えばレストランでメイン料理が運ばれてくるまで時間がかかっていた場合、「まだかな」とお客様が思い始めるタイミングで、「シェフからのサービスです」とちょっとした前菜をお持ちする。確かにこれなら体内時計がリセットされ、待ち時間も長く感じられないですよね。Apple Storeでは待ち時間中もスタッフの挨拶や声かけに加え、豊富に設置された実機をお客様に触っていただくことで、うまくお客様の体内時計をリセットできるような工夫がされています。

このように、感動する体験をお客様に与える製品・サービスをつくるAppleのこと、もっと知りたいという方には、こちらの一冊がオススメです!

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