売上が伸びない打開策に、「接客スキル研修」は間違ってる?

顧客満足度

こんにちは、シンクーの中谷健一です。店舗の売上が伸び悩んでいたり、落ち込み続けていたりすると、販売スタッフの接客スキル向上を目的とした研修を行なうことがあると思います。弊社も研修のサービスをご提供しているので、そういったご相談を多く頂きます。しかし弊社では、研修だけを単体でご提案することはほとんどありません。それはなぜか。今日は某メンズアパレルさんの事例をもとに、研修導入における注意点や効果を生み出す研修についてご紹介したいと思います。

 

「研修はスキルを得るもの」と考えていませんか?

 

このクライアント企業は、半世紀以上続くアパレルメーカーとして、全国に店舗を展開しています。

しかし、バブル崩壊後、日本の景気の落ち込みとともに、売上が減少。

新興の競合チェーンの台頭などもあり、思うように業績を伸ばせずにいました。

売上低迷の打開策として、研修の実施を考えられたそうです。ただし。

「これまでもいくつかの研修を実施してきたが、いまひとつ効果が見えない。より効果的な研修を実施したい」
という条件付きです。

 

多くの企業の担当者さんは「研修とはスキルを向上させてくれるもの」と考えています。

スキル向上のために研修を導入すること自体は、間違いではありません。

接客クオリティを高めることは、ほぼすべての小売店の課題です。

 

ところが

「研修を実施するのは、スキルを向上させて売上を向上させるためです」

と言われると、ちょっと待ってください、となります。

 

売上を向上させるためにどんな接客スキルが有効なのでしょうか。

「挨拶」でしょうか。「お辞儀の仕方」でしょうか。「上手な立ち位置」?「トーク術」?

ひとくちに接客スキル、と言っても、さまざまなスキルがあります。

また、挨拶のスキルが一定レベル以上の小売店に対して、さらに挨拶の研修をすることにどれほどの意味があるでしょうか?

 

疑問に思いながらも、他に方法が思いつかず、何となく「これまでもそうしてきたから」と型にはまったスキル研修を実施していた企業さんも多いのではないでしょうか?

わたしたちは、研修を実施する前に、お店で提供される顧客体験が、お客様にどのように映っているのかを把握する必要性を訴えています

その研修に戦略はありますか?

 

自分たちの弱点、つまりお客様に不満や不安を感じさせる顧客体験があるのかないのか、あるとすればそれはなんなのか、そしてその原因を解明し、その原因に対して適切な対処を行ってはじめて効果があがる。スキル研修はその対処手段のひとつです。

逆に言えば、こうした原因分析や顧客体験の改善戦略なしで実施される研修は、抜本的な課題解決にはつながりにくいのです。

いくら手術が上手いと評判の名医だからといって、検査もせずにいきなり手術はしません。どこにどんな病変があるか特定してから手術するから治るのです。

「だいたいこのあたりが悪いからここを切ってくれ」と患者が見立てている限り、いつまでたっても病気は治りませんよね。

 このクライアント企業に対しても、まずすべての店舗の実態調査を提案し、実施しました。

 もちいた計測指標は、お客様の事後行動に注目した顧客満足度指標であるNPS®(ネットプロモータースコア)

「このお店を友人や同僚にすすめる可能性は、どのくらいありますか?」を10段階で評価し、0〜6が批判者、7〜8が中立者、9〜10が推奨者として、数値化していきます。

もちろん、すすめるかの判断材料として、挨拶から言葉遣い、身だしなみや商品知識など細かな項目もチェック。お店の弱みと強みを洗いざらい顕在化していきました。

 

そこから見えてきたのは、クライアント企業が想像もしていなかったお店の現状でした。

次回は、NPS調査の結果とそこから導きだした課題、そして解決するための研修についてご紹介します。