セールスの「前」「後」に双方の視点で描く、カスタマージャーニーマップ(10/31セミナーレポート)

顧客ロイヤルティ

こんにちは、トータル・エンゲージメント・グループ 井上です。

トータル・エンゲージメント・グループは、10/31(水)にセミナー「セールスの『前』『後』に双方の視点で描く、カスタマージャーニーマップ」を、株式会社イノーバと共同開催しました。

セミナー前半は、イノーバ CEO 宗像 淳氏より、カスタマージャーニーマップの概要と「新規顧客」に対する活用について、後半はトータル・エンゲージメント・グループの藤谷より「既存顧客」に対してのカスタマージャーニーマップについて解説をしました。

「見える化」された羅針盤

カスタマージャーニーマップは「顧客の購買行動の流れに沿って顧客の「行動」「思考」「感情」を明確化してプロットしたものです。顧客の購買行動の全体像を、マップ化することにより俯瞰できると」宗像氏は解説します。

カスタマージャーニーマップを作るメリットは

  1. 社内で共通認識が持てる
  2. 施策の運用がスムーズになる
  3. 顧客目線で施策が打てる。
  4. コンテンツ企画、制作の羅針盤になる

の4つが挙げられます。

顧客の購買行動が図式化されることで、チームの全員が自分たちの顧客について共通の理解をしやすくなるのです。これにより、施策運用のスムーズさも向上します。施策内容について説明する際や、何らかの指示を出す際にも、マップが役に立ちます。

カスタマージャーニーマップを作るという過程が顧客目線でものを見ることの実戦となっています。コンテンツ制作の際には、そのコンテンツが「どの段階の顧客の、どの課題を解決する」ためのものであるかを明確にすることができ、いわば羅針盤のように機能します。 

マップを作る手順も説明しました。流れは、ペルソナの設定・分析、チャネルとタッチポイントの設定、コンテンツの目的や方向性の決定、KPIの落とし込みとマッピング、といった手順で行われていきます。

さいごに「新規顧客」に対するカスタマージャーニーマップの活用について、ワークショップを通じながら実践的に理解を深めました。

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成熟市場における「既存顧客」の重要性

後半は、トータル・エンゲージメント・グループ コンサルタントの藤谷拓が「既存顧客」に対するカスタマージャーニーマップの活用を中心に紹介しました。

そもそも「既存顧客」とは企業にとってどのような存在か。

それを考える上で役立つのが、「1対5の法則」と「5対25の法則」です。「1対5の法則」とは、新規顧客に商品を販売するコストは既存顧客に対するものの5倍かかる、というもの。「5対25の法則」とは、顧客離れを5%改善すると利益が最低でも25%上がるというものです。

既存顧客は企業にとって非常に重要な存在なのです。

そしてこれは、BtoB、BtoCの別を問いません。また、さまざまなサービスが充実し「成熟市場」となった昨今のマーケットにおいては、顧客の新規獲得は容易ではないという現実も軽視できないのです。

「頭」で満足させるのではなく、「心」で満足させることがキーになるのです。

そこでテーマとなるのが、「顧客のロイヤリティを上げること」です。「満足」には、二つの種類があります。一方は、「頭」で満足している状態、もう一方は、「心」で満足している状態です。前者は、「安いから」などの合理的な理由により満足している状態で、後者はいわば「コアなファン」が持つような、ロイヤルティに基づく満足です。この、心での満足、ロイヤリティをいかに高めるかが重要となるのです。

そのためには、顧客体験(CX)を高めることがカギを握ります。成熟市場では、「体験」や「感動」が重要となり、顧客体験に着目して自分たちの価値を高めていく姿勢が求められるのです。逆に言えば、顧客体験を売れない、感動を売れない企業は淘汰されていくこととになるのです。実際に、近年凄まじい勢いを見せる米企業「アマゾン」は、「顧客至上主義」を掲げています。

 そして顧客体験を高める上では、顧客への理解が欠かせません。そこで活躍するのが、「カスタマージャーニーマップ」なのです。思い込みではなく実際の声を聞き、それを「可視化」することができるというところに、このマップの強みがあります。また、ロイヤリティの指標であるNPSはその際の「はかり」となります。

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書いただけでは終わらないカスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは、書いただけで終わりにするのではその力を発揮することはできません。

「AmericanExpess」のカスタマージャーニーマップ活用から、それを学ぶことができます。

AmericanExpessのカスタマージャーニーマップでは、顧客とのタッチポイントを可視化するだけでなく、その中でロイヤリティ要因となるものの抽出を行います。顧客へのヒアリングにより、NPSに加えて各タッチポイントの満足度を調査することで、NPSと最も相関の強いタッチポイントを見極めるのです。それを踏まえて、顧客体験を高めるためのアクションを行います。さらにその後にはモニタリングも行い、カスタマージャーニーマップに基づき提供したその体験に対する評価を調査します。

顧客体験を高めていくことが、ロイヤルティ向上に繋がるのです。 

このように、顧客の購買行動を可視化するカスタマージャーニーマップは、施策を行う上での羅針盤として、そして顧客のロイヤリティ向上を実現するための材料として、大きな意味を持つ武器となるのです。