お客様からのクレームを改善・向上・信頼に変える5つのステップ

顧客満足度

米世論調査会社ハリス・インタラクティブ(Harris Interactive)が行った調査によると、「カスタマーサービスのクレーム対応に不満を感じたら、その会社の商品・サービスはそれ以上購入しない」と回答した消費者の割合は86%に。さらには、そのネガティブな体験を伝える相手の数は平均して9~15人。うち13%の人が20人以上に伝えるということが分かっています。でもこれはあくまで直接的な口コミの話。もしネット上に書き込まれてしまったとしたら、その投稿を見る人の数は不特定多数です。とにかくクチコミが重視され、消費者の83%が宣伝広告よりもクチコミを信じると言われる時代。企業にとって避けては通れないクレームですが、次にご紹介する5つのステップを参考に、ピンチをチャンスに変えるような対応を心がけてみませんか?


1. お客様の怒りを“ガス抜き”する

怒っている人を上手にコントロールするには?」という研究を行ったイリノイ大学のジョン・R・シェーファー博士によると、クレーム対応で大切なのは、解決策を提示する前に、お客様の怒りの感情をガス抜きさせることだとか。例えば電話や対面でクレームを受けたとしたら、お客様の話を遮ることなく最後まで聞きましょう。メールでは、お客様のネガティブな感情に迅速に対応しつつ、お客様が納得されるまでやり取りを続けましょう。「怒り」という感情に触れると、萎縮して何も言えなくなったり、モチベーションが下がったり、早く逃れようと解決策を先に提示してしまいがちです。でもクレームは決して個人攻撃ではないということ、お客様は改善のために問題提起をしてきている、もしくは純粋に助けを必要としている、そんなことを頭の片隅に常に置いておくことで、冷静、適切に対応できるようになるはずです。


2. お客様の話を真摯な態度で聞く姿勢を見せる

お客様からのクレームには改善や向上のヒントが詰まっています。必ずメモを取りましょう。「メモを取ってもよろしいでしょうか」とお客様に一言断ることで、真剣に聞く姿勢を見せることができるだけでなく、お客様の“怒りのペース”をある程度ダウンすることにもつながります。一通りお客様のお話しを聞いた後は、その内容を繰り返し、間違っていないか確認しましょう。その時、穏やかで優しい声を心がけてみてください。様々なシチュエーションのロールプレイングなどを取り入れて、普段から練習しておくとよいかもしれません。ただし、それが見せかけだったり、マニュアル通りだったとしたら、お客様に一発で見抜かれてしまいます。相手に真摯な態度で話を聞いてもらうということは、ビジネスだけでなくプライベートでもそうですが、自分のことを大切に考えてくれているという実感につながるものです。思いやりを持って対応しましょう。


3. お客様に対する共感や、問題解決へのポジティブな姿勢を見せる

お客様の話を聞き、お詫びの言葉を述べる時は、そこにお客様に対する共感や、今後に活かしたいというポジティブな姿勢が伺える言葉を一言添えてみてはいかがでしょうか。

例) 
・「○○様のお気持ちお察しします。そのような不快な思いをさせてしまい、心苦しい限りです」 
・「○○様、本日は貴重なご意見をありがとうございました」 
・「○○様のご期待に沿うことができずとても残念です。今後、全力で改善に努めたいと思います」
……等


4. 責任を認め、迅速に対応する

アメリカン・エキスプレスが行った調査によると、カスタマーサービスの対応に対する不満のトップ3が 

①責任転換 
②問題解決にかかる時間 
③たらい回し 

だそうです。③のたらい回しは私も経験したことが何度もありますが、「こちらでは分かりかねますので、○○までお問い合わせください」なんて三度も四度も言われて結局最初の担当者に戻った日には、怒りを通り越して呆れてしまい、それが不信感へと変わってしまいます。不満を持ってコンタクトをしてきたお客様にさらに不満を募らせてしまうなんて言語道断。責任を素直に認め、お客様をたらい回しすることなく、過去の事例を活かすなどしてその場で迅速に解決できるような体制を整えておきましょう。 

顧客志向経営、サービスマネジメントのバイブルとして知られる『サービス・マネジメント』によると、クレームが解決につながった時、54~70%のお客様がもう一度商品/サービスを購入/利用するのだとか。さらに解決のスピードが迅速だった場合、そのリピートの確率は95%まで増加するそうです。


5. フォローアップする

問題解決後、メールや電話でのフォローアップに数分かけるだけでも顧客満足度は大幅に向上するものです。「問題が解決したからハイ終わり」ではなく、「お客様とずっとお付き合いしていきたい」という繋がりを大切にする心から生まれる気配りは、満足度だけでなくロイヤリティを高めるきっかけにもなります。  商品やサービスに不満を感じても、それに対するクレームを言う消費者は全体の5%程度だと言います。不満を口にしないお客様は、次回から競合他社の商品・サービスを利用するでしょう。だからこそ、改善、向上のための貴重なヒントが詰まっているクレームは、失いかけた信頼を取り戻し強化するチャンスを与えてくれるものではないでしょうか。