これからのアパレル企業が成功のためにこだわるべきは、デザインと機能性

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一口に衣料品と言っても、国内には生地を作る工場、染色加工する工場、縫製をする工場と様々な工程段階があって完成します。彼らは長らくブランドやアパレル企業の下請けとして製造を担ってきましたが、バブル崩壊後、国内のアパレル企業各社が中国へと製造地を移転させました。その結果、国内の各工場は生き残るために脱下請けに取り組まざるを得なくなりました。工場の多くは自社オリジナル製品の開発に着手し始め、その傾向は2015年の現在でも続いています。


製造地がセールスポイントではない?

一般に「日本製品」は高付加価値があるとされています。高品質で安全性が高いからです。そして多くの場合は高価格品でもあります。中国人観光客も「日本製品」を高く評価していると言われています。それほどに高評価なのであれば、国内製造加工場が作ったオリジナル製品がもっと売れても良いのではないかと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、残念ながらこれまで成功した工場発のファッションブランドは数えるほどしかありません。

その理由は商品のデザインがあまり良くないものが多いからです。一般的に工場の人たちは製品のデザインができません。彼らは生地を織ること、染めること、縫製することはプロですが製品のデザインについてはは素人です。専門のデザイナーに依頼すれば良いのですが、投資リスクを恐れるあまりに、依頼をせずに製造を行うケースがままあります。

デザイナーも専門職なので無料というわけにはいきません。ところがデザイナーがデザインした製品が必ず売れるとは限りません。売れる要素は製品のデザインだけではないからです。営業力、販売力などによっても売れ行きは大きく左右されます。そのため製造加工場の人はデザイナーへ依頼することを投資リスクだと考えているようで、なかなか依頼したがりません。ひどい場合になると自分たちでデザインをしてしまい、高付加価値だといわれている「日本製」を最大のアピールポイントとして強調しながら売ろうとします。

これが上手く行かない最大の原因です。たしかにデザイナーがデザインしたとしても製品が必ず売れるとは限りません。しかし、デザインが良くない製品はどんなに営業や販売を頑張っても売れません。なぜならファッション製品だからです。ファッション製品が不格好であればそれが日本製だろうと高品質だろうと売れるはずがありません。むしろデザインが良ければ日本製でなくても売れる可能性があります。素人がデザインした製品の多くは不格好であか抜けないデザインです。いくら日本製でもこれでは売れません。


アパレル企業がオリジナル製品の展開を考える時に知っておきたいこと

では、工場が自社オリジナル製品を売るためにはどうすれば良いのでしょうか。まずはキチンとしたデザイナーに製品デザインを依頼することです。ただ、デザイナーに依頼しただけでは足りません。次のステップとして、まだやらなければならないことがあります。それは製品(ブランドの場合もある)のコンセプト作り、顧客設定、販売価格設定です。これらの背景が決まらないと製品はデザインできません。これらを決定するのはデザイナーという職種ではなくプロデューサーやディレクターと呼ばれる職種の機能です。自社オリジナル製品を成功させたいのであれば、投資リスクがあったとしても有料でプロデューサーそしてデザイナーと契約を結ぶことが大切なのです。