オンとオフ、仕事とプライベートの境界線はあいまいなくらいがちょうどいい?

エンゲージメント

スマホの普及により、いつどこにいても仕事のメールがチェックできることから、仕事とプライベートの切り替えがしにくいと感じている人は多いのではないでしょうか。こんな状況でどうやったらワーク・ライフ・バランスを実現できるのだろうか、と思っている人も多いかもしれません。

でもグローバル化、人口減少、情報化などの影響によって価値観やライフスタイルの多様化が進んでいる現代からこそ、柔軟な捉え方が求められるのではないでしょうか。


最適なワークとライフのバランスとは?

「ワーク・ライフ・バランス」=「最適なワークとライフのバランスをとること」

ということなのだと思いますが、生き方は人の数だけあるのだから最適なバランスだって一人ひとり違うはずで、それぞれの物差しで測ればよいと思います。

マイクロソフト日本法人元営業部長の田島弓子氏の著書、『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』にもこうあります。

ワーク・ライフ・バランスとは、社会で定義されるものでもなく、人から与えられるものでもなく、自分自身で見つけるもの

周りの目から見れば「アンバランス」に見えたとしても、自分にとってそれが調和の取れた状態であれば、それが自分の「ベストバランス」

日々革新的な製品やサービスを生んでいるGoogleやApple、Facebookなど、数多くのテック企業で働くコーダーには、深夜まで働き、家に帰ってもコードを書いている人が多いといいます。「コードを書くことがリラックス方法」という彼らにとっては仕事をしている時が一番幸せを感じられる時。もちろん、残業が多いとプライベートに影響が出るのではという懸念もありますが、彼らのプライベートをできるだけサポートし、仕事に情熱を傾けてもらうために、これらの企業は福利厚生などを充実させています。

度々「ワーカホリック」のレッテルを貼られるテック企業のコーダーですが、その仕事に打ち込めるということが、彼らにとって最もバランスが取れている状態なのです。


オンとオフの境界線はあいまいでいい?

ワーク・ライフ・バランスの話を前提に、「公私混同」について考えてみたいと思います。

「オンとオフをきっちり区別しなければ」と思っている人は、仕事(オン)が苦痛で我慢して働いているから、プライベート(オフ)で仕事を忘れてその時間を有効に使おうという感覚が強いのかもしれません。でもこの場合、仕事が忙しくなってオフの時間が少なくなると、当たり前ながらそれがストレスとなり、仕事にもプライベートにも悪影響を与えかねません。

そもそも私たちは機械ではないので、オンとオフという電源ボタンで動作するわけではありません。だから無理やりオンとオフで切り替えようとすると強いストレスを感じてしまいます。だからその境界線に縛られることなく、あいまいにしたほうが、より自由に柔軟な心で物事に取り組めると思います。

例えば大手通販会社のフェリシモでは、仕事という境界線を取り払い、好きなことを業務時間中に会社公認で行える部活動が盛んで、社員の3人に一人が参加しています。既存の組織や役割、上司や部下の関係を超えて参加することで人間関係に深みが出るのはもちろん、「女子DIY部」のように商品販売をしたり、新しい顧客の開拓をしたりと、公私混同することでパフォーマンスやエンゲージメントが自然と向上する仕組みに。

私が以前勤めていた会社も部活動が盛んでしたが、社内に限らず、共通の趣味を持ったお取引先の方も部員に入れて、公私混同のお付き合いをしていました。彼らと一緒に過ごす時間は自然と増え、仕事やプライベートに関わらずさまざまな話をする機会も増えることから、そこから色々なアイディアが生まれ、製品やサービスの提供につながったことも多くありました。また、例えば一つのプロジェクトが失敗に終わったとしても、仕事のみでつながっている人間関係ではないので、「失敗したから終わり」ではなく「次も一緒に頑張りましょう」という前向きなものに。これは、公私混同することで築かれた絆や信頼があってこそです。

ワーク・ライフ・バランス、オンとオフ、公私混同など、境界線を引く言葉は多くありますが、これらを不可分一体と捉えることで、自身の成長や、豊かで幸せな人生につながるのではないでしょうか。