アバクロはつまらない!? 現代を生きる10代の顧客のニーズを追うアパレルブランドの変革

顧客ロイヤルティ

“アバクロ“の通称で知られる「アバクロンビー&フィッチ」と言えば、日本でも一時期大流行したアメリカのブランド。アバクロならではのアメリカンな雰囲気たっぷりのカジュアル服は、着ているだけでオシャレになったような気分がしたもの。そんなアバクロも最近は人気が薄れつつあるのだとか。アパレル業界に、今一体何が起こっているのでしょうか?

 

顧客ニーズや経済環境の変化によるかつての“アメカジ三大ブランド“の苦悩

21世紀を迎えた頃、アメカジ三大ブランドと言えば、

①アバクロンビー&フィッチ
②アメリカンイーグル
③エアロポステール

でした。当時はブランドのロゴや独自のプリントが入ったTシャツやパーカーなどが定番で、皆が同じ服を着ていたとしても、そのブランドのものであることがオシャレのステータスでした。

でもSNSの台頭でアパレル業界が一変。現代を生きる10代は、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどを見て気に入ったものを購入したり、シェアして皆の注目を集めたい! とこぞって個性的なファッションを求めるようになり、シンプルカジュアルが主流のアバクロは「つまらない」ブランドになってしまいました。また世界的不況も手伝って、決してお財布に優しいとは言えない価格帯の三大ブランドより、台頭してきたファストファッションブランドに注目が集まるように。

ファストファッションの人気が出たのは低く抑えられた価格だけではありません。SNSでターゲット世代の好みの傾向や声を聞きながら、流行をいち早く取り入れて短いサイクルで販売するため、他の人と同じファッションになることがない、安く買った服を自分流にコーディネートできるなど、今の10代のニーズと環境にマッチしていたからです。

アメカジ三大ブランドがうまく適応できなかったのがここ。昔ながらの生産方法を維持していたため、ファストファッションのペースや価格、デザインに対抗できず、顧客が離れていってしまったのです。

 

顧客呼び戻しを狙うアメカジ三大ブランドの戦略

アバクロは、一つの生地を大量に工場にストックしておく「ファブリック・プラットフォーミング」というシステムを新たに導入し、顧客のニーズに合わせたデザインをすぐ生産できるような体制を整えました。生産ラインもアメリカ国内と南アメリカに充実させ、店頭に並ぶまでの時間短縮を目指します。またこれまでのロゴやプリントものの生産も抑えることに。「黒」の商品は扱わないという方針も変更しました。

アメリカンイーグルは、デザインディレクターを新しく任命し、アバクロと同じく、ロゴ入り製品の生産を抑えたラインアップに変更。また、モデルではなく、一般人モデルに自社製品を着せて、よりイメージがしやすいようにSNSで製品をアピールしています。

エアロポステールは、ブランドの注目度を大幅にアップするため、レディー・ガガよりもYouTubeチャンネルの登録数が多いという、10代に絶大な人気を誇るユーチューバ―、ベサニー・モタのコレクションをブランドで展開することに。彼女のYouTubeチャンネルのファッション&メイクのアイディアを真似する10代が非常に多いだけに、効果が期待できそうです。

 

以上、いかがでしたでしょうか。どのブランドもファンを取り戻すため、愛着と共感を呼び起こすような取り組みをしていますよね。物があふれ多様化する顧客ニーズ、特に現代の10代のようなニーズをつかむのはなかなか難しいもの。でも店舗やカスタマーサービスだけでなく、今ではSNSという顧客と企業・ブランドがコミュニケーションを行える場所があります。そういった接点を持てるあらゆる場所で顧客の声を聞きのがすことなく、環境の変化を理解した上で、顧客が求める製品を最適なタイミングで投入できる仕組み作りを考えたいですね。

引用:http://www.timesdispatch.com/business/ap/can-abercrombie-fitch-be-cool-again/article_1d3a245a-2d26-11e4-a7e3-0017a43b2370.html