賃金アップの効用とアベノミクス

エンゲージメント

「定期昇給」や「ベア(ベースアップ)」という給与に関係した言葉がここのところのニュースで多く飛び交っています。 大手企業の給与アップは、アベノミクス効果を非常にわかりやすく見せますが、日本国内の95%をしめる中小零細企業にその恩恵が届くまでにはタイムラグが有るのではないでしょうか。 

エンゲージメントによるコンサルティングを行っている私の視点から見ると、今回の昇給報道の中では、ある大企業トップのインタビューでの一言がちょっとに気になりました。それは


「 賃金を上げることにより、モチベーションが上がり、人材が定着する」

という主旨の発言です。

 誰でも給料が上がれば嬉しいでしょう。しかし、その嬉しさがモチベーションアップや離職率の低下につながるという点は本当でしょうか。

この問いに対して、多くの企業を見てきた経験から言えることは2つあります。

 

1. 給与アップが「勤続年数」や「仕事へのモチベーション」に与える影響は少ない

会社への定着や仕事に対するモチベーションは、給料より、企業のビジョン・ミッション、やりがい、一緒に働く仲間に大きく影響されています。もちろん、生活できないレベルの給料では困りますので、一定水準を満たす額は必須です。

しかしながら、定期昇給やベースアップは、共感できるビジョンを持った企業に貢献することや、やりがいのある仕事に打ち込むことに比べれば、社員の「モチベーション」を大きく引き上げることはできません。 

2. 中小零細企業の給与アップで日本に活力を!

大企業よりも生涯賃金の低い中小零細企業こそが基本的な給料を上げることで、モチベーションを発揮し、国内の活力を与えなければなりません。 

給料が上がること自体は非常に前向きな話なだけに、何事も恩恵を受けるのは大企業ばかりという構造を変えなければ、日本の復活は先になると考えます。