「売れない」を「売れる」に変えた平賀源内に学ぶ商品・サービスの差別化のヒント

顧客ロイヤルティ

多くの企業の皆さんが、いかに他社と差別化した商品やサービスをお客様に提供できるか、日々試行錯誤されていると思います。でもいくら差別化したものでもさっぱり売れない、なんてことがありませんか? それはもしかしたら、お客様が望むものではないところに一生懸命経営資源を割いてしまっているからかもしれません。差別化したつもりが、他社でもできることをやっているからかもしれません。ではどうすればいいのでしょうか。差別化に必要な絞り込みができるフレームワークをベースに、江戸の天才・平賀源内のあるエピソードから、できることを考えてみたいと思います。

3C分析で見つけるスイートスポット

市場と競合の分析から成功要因を見つけ、自社の戦略に生かす分析をするフレームワークに3C分析というものがあります。これは「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」という3つの観点から「スイートスポット」を見つけるために使うものです。スイートスポットとは、下記図矢印の「お客様が求めること」と「自社にできること」が重なる部分で、競合にはできない部分、つまり差別化ポイントとなり、自社の強みのことを言います。

3C分析で見つけるスイートスポット

3C分析は次の順序で行います。

ステップ1:顧客分析(Customer)
顧客数や地域構成などの市場規模、市場の将来性、顧客のライフスタイルや思考、購買の意思決定に影響を与える要素やそのプロセスなどについて、直接のヒアリングやインタビュー、アンケートなどを含め分析し、顧客となる潜在層を把握します。

ステップ2:競合分析(Competitor)
競合の数やシェア・戦略・「強み」と「弱み」、参入障壁等、業界の寡占度等を分析し、競合他社だけでなく、産業全体の競争状況について把握します。

ステップ3:自社分析(Company)
自社の売上高、収益性、シェア、ブランドイメージ、コストドライバーなどを分析することで、自社の強み(差別化、資源)と弱みを認識します。

顧客分析に基づき競合分析を行い、競合分析に基づき自社分析を行うことで、根拠を積み重ねた戦略ができ、そこから成功要因を見出すことができます。同じ競争をして、同じ顧客に同じ商品・サービスを提供してしまったり、差別化はできているけれどニーズのない商品・サービスを提供することのないよう、3C分析でスイートスポットを見つけたいですね。


平賀源内が見つけたスイートスポット

江戸時代に、今でも続くある習慣を広めたと言われている人物がいます。それが江戸の天才、稀代の才子、日本のダヴィンチなどと呼ばれた平賀源内。

彼が広めたと言われているのは、土用の丑の日に鰻を食べる習慣。鰻が夏場売れず困っていた鰻屋が、何とかしたいと、博識で有名な平賀源内を訪れました。ちょうどその日が丑の日だったことから、「本日は土用の丑、鰻食うべし」と大きく書いた板を店先に出すよう勧められ、試してみたところ、何とお店は大繁盛! 

本来鰻の旬は、鰻が冬を越すのに備え、栄養分を蓄える冬。元々夏に食べられる魚ではありませんでした。では旬ではない魚をどうしたら人々に食べてもらえるかを考えると、暑さでバテやすい夏だからこそ元気に夏を乗り切りたいというニーズが見えてきます。そこから夏バテ予防というスイートスポットを見つけることで、夏に鰻を食べる動機づけが生まれます。

このスイートスポットを支えたのが源内のコピーライティング力。当時の「丑の日にうどんや梅干し、瓜といった“う”から始まる食べ物を食べると夏負けしない」という風習にヒントを得て作られた土用の丑の日に鰻を食べるというコピーは、天才的ですね。

いかがでしょう? 源内のこのエピソードから、スイートスポットの見つけ方や商品・サービスの差別化のヒントが得られるような気がしませんか?

参考:
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150317/278843/http://yamauchi283.com/glossary/administration/3cs-model/