サイボウズの離職率が28%から4%へと低下した理由は、柔軟な組織作りにあり?!

従業員エンゲージメント

皆さんは、ご自身が勤める会社の離職率、ご存じですか? 離職率は業界や企業の性質等によっても大きく異なるため数字だけを見て判断すべきものではないと思いますが、一般的に離職率が高くなる理由には、賃金の低さやハードな勤務体制があると言われています。

では昇給などを提案したり、労働時間を短縮したりすれば、離職率は途端に減るものなのでしょうか。給与や賞与、或いは休日や労働時間等が関わるインセンティブが従業員のモチベーションの元になることもありますが、決してそれが全てではないので、離職率が激減するファクターにはならないと思います。

例えば顧客ロイヤリティを高めたいと考えている企業は、お客様を大勢の一人と捉えず、大切な一人のお客様と捉えて、一人ひとりに合った商品やサービスを提供する努力をしていると思います。一人ひとりのために何ができるかを考え行動することで愛着や絆が生まれ、「この商品・サービスをずっと使いたい」「ずっとこの企業・ブランドにお世話になりたい」とロイヤリティが高まります。

こういった取り組みをお客様だけでなく、従業員に対しても行ってみるとどうなるでしょうか。職場への愛着や絆を感じることで、「この会社で働きたい」「働き続けたい」と仕事にやりがいを感じ、自社の存続や成長に積極的に関わっていこうとする従業員が増えるのではないでしょうか。これぞまさに従業員エンゲージメントの高い状態。サービス品質向上、改善や新商品開発提案の増加、雇用・教育コストの削減、そして離職率の低下につながります。

実際従業員を大勢の一人と捉えず、大切な一人の従業員として捉えることで離職率を28%から4%へと低下させた(下記グラフ参照)のが、恐らく多くの企業が使用しているであろうグループウェアで有名なサイボウズです。

【サイボウズの従業員数と離職率の推移】
サイボウズの従業員数と離職率の推移
出典:サイボウズ

厚生労働省の平成26年の産業別入職率・離職率調査で情報通信業の離職率が11.3%だったことを考慮してもやはり低い数値であることが分かりますが、では同社の取り組みとは一体どのようなものだったのでしょうか。


一人ひとりに適した人事制度の導入

「モチベーションは人によって違うのだから、多様な働き方ができる職場にすべき」と考えたサイボウズ社長の青野慶久氏が導入したのが、選択型人事制度と呼ばれるもの。下記図にあるように9種類から働き方を選択できるようになっていて、「オフィスで長時間働く」「オフィスで短時間働く」「オフィス以外の自由な場所で長時間働く」「オフィス以外の自由な場所で短時間働く」など、育児や介護、通勤や健康など従業員一人ひとりのライフスタイルに応じて選択できるようにしています。給料も各働き方で異なり、ライフスタイルの変化による働き方の見直しも定期的に行われているのだとか。

【選択型人事制度】
選択型人事制度出典:サイボウズ

さすがサイボウズだけあって、異なる働き方をする社員間のコミュニケーションはグループウェアを使って密に行うようにしているのだとか。

他にも、

  • 最長6年間の「育児・介護休暇制度」(2006年~)
  • 35歳以下の従業員が自分を成長させるための転職や留学をした後最長6年間は復帰ができる「育自分休暇制度」(2012年~)
  • 原則業務にマイナスとなるもの以外は副業が可能とする「副業許可」(2012年~)

など、社員一人ひとりとの対話を行うことで導入された制度が盛り沢山!

以前「"ワークライフバランス"と“幸せな国”ランキングで1位のデンマークの人たちの働き方」の記事で、デンマークの労働生産性が高い理由に、成果を出せば、働く場所や時間は自由でかまわないという考え方が浸透している「自由度の高い働き方」や、上司は常に部下を信頼して仕事を任せ、働いた時間ではなく成果を重要視している「職場での誠実な信頼関係」があることをご紹介しましたが、それぞれに合ったワークライフバランスを見つけることが生産性を高め、幸せに働くことができるということが分かります。幸せな気持ちで物事に取り組むと生産性が約12%も上がるという研究結果もありますが、サイボウズの離職率が下がったのもこの辺りが強く関係しているのではないでしょうか。


円滑なコミュニケーションのためのさまざまな取り組み

新しいアイディアの創出や、社員間の交流をさらに促進するために、サイボウズではグループウェアを超えたコミュニケーションを活性化するため、次のような工夫をどんどん取り入れています。

  • 部員一人当たり年間10,000円が補助されるという「部活動支援」(2005年~)
  • 一人あたり3,000円が補助されるという「誕生日会」(2008年~)
  • リラックスしながらも真面目に熱く仕事の話をする「場(Bar)」に飲食費を支援する「仕事Bar」(2009年~)
  • 部内での飲み会等に一人あたり年間10,000円を補助する「部内イベント支援」(2010年~)
  • 社員を感動させるサプライズを考える「感動課」の設置(2011年~)
  • 業務時間外に行う単発のイベントに対して費用を一部支援する「イベン10」(2012年~)

など、こちらも盛り沢山です。特に世界初だという「感動課」、興味ありませんか?職場で感動的な体験をする機会が増えることで、よりモチベーションアップにもつながりそうです。

一人ひとりが自分らしく幸せに働くためにできることを、サイボウズの例を参考に考えてみてはいかがでしょうか。

参考:
http://cybozu.co.jp/company/workstyle/ 
http://news.livedoor.com/article/detail/10340532/