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    2015.09.24 顧客体験
    「3店舗経営」が創業時の目標だったトリドールが丸亀製麺で一大外食企業に成長した理由

    日本人のソウルフードの代表的なものがうどん。特に海外旅行などで胃もたれしそうなヘビーな食事が続くと、あの優しいだしの味を魂が欲するのはやはりソウルフードだからなのかもしれません。かけうどん、ざるうどん、きつねうどん、たぬきうどん、カレーうどん、天ぷらうどん、肉うどん、力うどん、鍋焼きうどんなど、たくさんの種類や食べ方を楽しめるうどんですが、日本で一番有名なブランドと言えば、良質なイリコだしと、強いコシを持った、のどごしの良い麺が特徴の讃岐うどんではないでしょうか。

    今日は、そんな本場讃岐の味を安くおいしく提供することで消費者の心をつかみ、全国に780店舗、海外112店舗、合計892店舗(※2015年8月1日時点)でセルフうどん店舗数および売上日本一となった丸亀製麺の運営元、株式会社トリドールの成功と成長の理由に迫ってみたいと思います。

    丸亀製品のチェーン展開は試行錯誤と偶然の産物?!

    丸亀製品を運営する「株式会社トリドール」、そもそも「将来3店舗を経営したい」という創業者社長の粟田貴也氏の願いが込められた焼き鳥屋、「トリドール三番館」を1985年に兵庫県加古川市で開業したのが同社の始まりでした。その後1988年に加古川駅近くに2号店を、1991年には、東加古川駅近くに3号店を開店し、創業時の目標が達成された後、これまでの赤ちょうちんの焼鳥屋とは違うスタイルの焼き鳥を展開しようと考えるように。

    そこで、それまでなかった若い女性をターゲットにした洋風の焼鳥屋を作ったところ、これが大ヒット。ところが直に若い女性をターゲットにしたイタリアンレストランや創作料理屋が登場し、流行に敏感な女性はそれらのお店に流れてしまいます。このお店では若い女性にターゲットを絞りすぎたせいで、しっかりサービスができていなかった他の層のお客様も離れていってしまいました。

    結局この洋風焼鳥屋は失敗に終わってしまったものの、赤ちょうちんスタイルの焼鳥屋の経営は安定していたそう。なぜなら地元サラリーマンや家族連れ、年配の方々に心をこめたおもてなしを行ってきたことで、リピートしてくれるファンをつくることができていたから。こういった一連の出来事に「地元の方々に愛される店にしなくては」という気づきを得た粟田社長が次にオープンしたのが、焼鳥ファミリーダイニング「とりどーる」。リーズナブルに家族で食事ができる場所として人気が出て、順調に店舗数を拡大していったものの、2004年、アジアを中心として発生した鳥インフルエンザが日本にも飛び火したことで、とりどーるだけでの事業展開に不安を感じるように。

    そこで、父親が香川県の出身で、子供のころから讃岐うどんに慣れ親しんで育った粟田社長が、地元加古川の皆さんにリーズナブルな価格で讃岐うどんを食べていただきたいと2001年に開店していた「丸亀製麺」を事業の主軸にすることにしたのでした。

    創業当時から変わらない経営理念とお店のスタイル

    栗田社長はトリドールの存在意義を「大衆性」「普遍性」「小商圏対応」と考え、

    ひとりでも多くのお客様にいつまでも愛され続ける地域一番店を創造していこう

    という経営理念を掲げています。この背景には、「一過性のブームではない、お客様本位の地域一番店をつくること。徹底したお客様志向で、外食産業のリーディングカンパニーを目指す」という想いがありますが、この経営理念は創業以来ブレることはありません。

    ひとりでも多くのお客様にいつまでも愛され続ける地域一番店を創造していこう
    出典:株式会社トリドール

    加古川で赤ちょうちんスタイルの焼鳥屋をオープンした時は、従来のように焼き場を店の奥に配置するのではなく、お客様とのコミュニケーションをより密にしたいという理由からオープンキッチンスタイルに。それがお客様との絆を深め、焼き場を見られる楽しさも手伝い、ファンをつくりました。途中洋風焼鳥屋の失敗もありましたが、理念があったことで、「より多くの地元の方々に愛されるお店をつくろう」という原点に戻ることができました。

    その原点への立ち返りを形にした次の業態がとりどーる。自分が子供の頃家族で行けるレストランがなかったという粟田社長の、「普段家事で忙しいお母さんや、子供たちが楽しめる、家計に優しい家族のためのレストランを」という想いから生まれました。

    そしてセルフうどん店として成長した丸亀製麺。創業当時の焼き鳥屋のようにオープンキッチン方式にし、お客様の目の前で手づくりしてできたての商品をリーズナブルな価格で提供することで、食の安全・安心だけでなく、臨場感やエンターテイメント性を生み、何度も足を運びたくなるお店にすることに成功。理念の通り、ひとりでも多くのお客様にいつまでも愛され続ける地域一番店を丸亀製麺でどんどん実現していったのでした。

    ちなみに、飲食店のスタッフというと若いという印象がありますが、丸亀製麺では中高年層の採用を積極的に行っています。お客様や若いスタッフに安心感を与えられるという理由もあるようですが、中高年の雇用促進という意味でも、理念の実現に一役買っているように思います。

    理念や存在意義といった会社の中心軸がブレないこと、失敗を成長のエンジンとすることでトリドールは一大外食企業になりました。一度掲げたことを守り実行していく同社の姿勢に、学べることは多くあるのではないでしょうか。後日同社がどのように企業理念を浸透させているのか、という部分も調べてみたいと思います。

    参考:
    http://www.toridoll.com/http://www.gaisyoku.biz/pages/story/toridoll/toridoll_01.cfm

    SHAR

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