イチロー選手の入団会見で見たマイアミ・マーリンズ流「従業員エンゲージメント」の高め方

エンゲージメント

米大リーグの春季キャンプが始まりましたね。メジャー15年目、41歳で、新天地を求めてマイアミ・マーリンズ(以下マーリンズ)に移籍をしたイチロー選手は、ちょうど今日24日からフロリダ州で本格始動を迎えます。現時点では「第4の外野手」という位置づけでありながらも、先月都内で行った入団会見で彼のモチベーションの高さを見ることができましたが、それは球団が彼をやる気にさせたからでした。

従業員満足度よりも従業員エンゲージメントを測る企業が多いのが近年のアメリカの傾向。なぜなら従業員満足の向上だけにフォーカスを当てていても、企業にとって、それは大幅な業績向上や持続的成長が見込めないからです米大リーグのようなプロスポーツチームであれば、選手に高い年俸を与えることで、簡単に選手の満足度を上げることができるでしょう。でも、その満足が最終地点だと、「とりあえず現状維持すればいいか」と発展が見られなくなってしまいます。だから今求められるのは、「従業員満足度」ではなく、さらに一歩踏み込んだ「従業員エンゲージメント」の強化なのです。


イチロー選手の高いパフォーマンスを引き出すためにマーリンズが行ったこと

1ヶ月ほど前に東京都内で行われたマーリンズへの入団会見の冒頭で、イチロー選手は

この機会を日本で実現できるということは、通常ありえないことと認識していてます。

と、日本で球団会見が開いてくれたことと、球団幹部がマイアミから18時間もかけてやってきてくれたことに対し、感謝の気持ちを表しました。また、

球団のやたら熱い思いが伝わってきて、この思いに応えたいという気持ちが大きく沸いてきた。僕がこの2年間欲していたものはこれだったんじゃないかと思っています。選手として必要としてもらえること、これが僕にとっては何よりも大切なもので大きな原動力になると思います。

と、自分のモチベーションを上げてくれたものが報酬ではなく、マーリンズの自分に対する信頼と期待であったことが伺えるコメントも。

さらに、ニューヨーク・ヤンキースに移籍した2012年に手放したトレードマークの背番号51について、当時サインを書いた時に「51」と書いてしまったエピソードを明かし、マーリンズで復活することになったことに対して、

無意識下でしっかりと「51」と書けることはすごく嬉しいです。

と笑顔。その背番号が付けられたユニフォームを身 にまとい、キャップをかぶって撮影に応じるイチロー選手の表情は充実感に満ちていました。

156本に迫っているメジャー通算3000本安打については

数字はもちろん大切なものです。これがなくては現役を続けていくことはできないと思っています。それ(3000本安打)が全てではないということは、はっきり言える。人はそういうわかりやすい数字や目標を求める傾向にあるけど、それは自由。人がどう思うかは自由だけど、僕はそれがすべてではないというスタンスでいます。

と、3000本安打がモチベーションの高さになることを明かしながらも、それはあくまで材料の一つ。他にも自分がチームのためにできることはある、そんな思いが伝わってくるようでした。


従業員エンゲージメント強化に必要なものと、その効果とは?

イチロー選手は球団の方針、価値観、行動に共感を覚え、貢献したいという熱意にあふれ、やりがいや球団への愛着と絆を感じていました。これこそが従業員エンゲージメントの強化に欠かせないものです。マーリンズは選手(従業員)を主役ととらえ、チーム(企業)の成功には選手の存在、選手のチームへの関わり方が重要であると認識しているように思います。

企業に求められるのは、何が従業員エンゲージメントの促進力となるかということ。サービス品質向上に貢献し、『ずっとこの会社にいたい/貢献したい』と思う従業員が増えれば増えるほど、売上・利益の拡大や持続的な成長をより容易に実現することができるようになります。実際、エンゲージメント力の高い従業員が高い企業は、他社を202%しのぐ結果を出しているという、米デール・カーネギー・トレーニング社の調査結果もあります。だからこそ、従業員の評価やキャリア開発はもちろん、組織文化やオープンなコミュニケーションなどについてじっくり考えて行動するということはとても価値のあること。まずは従業員エンゲージメント調査を行い、従業員に対する真の理解を深めてみてはいかがでしょうか。