離職率を下げ、職場のチームワークと絆を深める“感謝”の力

従業員エンゲージメント

皆さんはご自分の会社の離職率、ご存じですか? 離職率が高いと、代わりの人材を見つけなければいけないことが頻繁に発生しますが、採用にはコストも時間もかかりますし、採用後も教育コストが発生しますよね。だからなるべく従業員エンゲージメントを高めて離職率を低くしたいものです。ホワイト企業の特徴の一つにも離職率が低いことがあげられています。

ただし、リクルートのように転職や独立、起業して活躍する人材を多く生み出している「人材輩出企業」もありますので、離職率の高低だけで企業の善し悪しを判断するべきではないのかもしれませんが、離職率が高く、退職の理由がネガティブなものだったら、改善に努めなければいけませんよね。


退職の理由から見える、上司に足りないもの

リクナビNEXTが転職経験者100人を対象に行った調査から得た「退職理由のホンネランキングベスト10」によると、1位に「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」、3位に「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」と、何とトップ3に人間関係に対する不満が2つもランクインしています! 

1位の「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」の理由を見てみると……

私の部署の上司は、部下が成績を上げてもすべて自分の手柄にしてしまうくせに、自分の失敗はすべて部下に押し付ける。

上司は私にも仕事を任せてくれる。それはありがたいのだが、トラブルが発生すると「何をやってるんだ!」とまくしたてるばかり。フォローもできない上司は尊敬できない。

経理を担当していたのだが、社内のルールを無視する会長に嫌気が差した。決まって精算期日が過ぎた領収書を山のように持ってくるので、「期日を守っていただかないと困ります」というと、「会長に向かってなにを言うか。支払え」と逆ギレ!

出典:リクナビNEXT

と言った声が。ここに出てくる上司はまさに、下記ライフハッカーの「最悪な上司に共通する10の特徴」を象徴的に表していると思いませんか?

1. 決断力に欠ける
2. 忍耐力がない
3. とにかく大げさ
4. 仕切りたがり
5. 内省しない
6. えこひいきする
7. とにかく外面だけはいい
8. 融通が利かない
9. 他人のせいにする
10. 感謝をしない
出典:ライフハッカー

耳が痛い……なんて思った方もいるかもしれませんが、自分を振り返り、足りないものが発見できるいいリストではないでしょうか。今日はこの中から「感謝をしない」にフォーカスを当ててみたいと思います。


感謝はポジティブな連鎖を起こす

従業員エンゲージメントのコンサル会社、TINYpulseが500社4500人を対象に行った調査によると、感謝と離職率に密接な関係があることが分かりました。その理由を一つずつ見て行きましょう。

実際79%の人が「自分の働きが認められていない」と感じているようなのですが、自分の働きが認められ感謝されていると感じた従業員は、そうでない従業員に比べ、組織の成功のためにより熱心にやる気を持って働くのだそう。下記はその相関性を表したグラフですが、感謝されていると感じれば感じるほど、従業員のモチベーションが高まっているのが分かりますよね。

THE EFFECTS OF EMPLOYEE RECOGNITION AND APPRECIATION
出典:TINYpulse

調査からは、上司から認められ評価をされている人に対し、同僚の評価も自然と高くなるということも分かっています。「仕事のやりがいに影響するものは何か」という質問に対し、「自分のキャリアや人間性を高めるためのよき仲間」と答えた人が70%、「福利厚生や会社のイベント」と答えた人がたったの8%だったことからも、お互いが刺激し合い、切磋琢磨する関係を生むことが大切だと言えるのではないでしょうか。要するにポジティブな感情の表現というのは伝染するということです。上司が部下に感謝の気持ちを伝えることができたら、それが周りにポジティブな連鎖を起こすと考えられます。

ただし、部下のやる気を一番引き出すことができるのは直属の上司です。アメリカには”People quit their bosses, not their jobs.”(人は会社を辞めるのではない、上司を辞めるのだ)なんていうフレーズさえあるくらいですが、上司が部下に感謝の気持ちを持って接することで上司への評価もそれに比例して高くなり(下記グラフ参照)、結果上司だけでなく会社へのロイヤリティが高まる(=離職率が低くなる)のだとか。

THE EFFECTS OF EMPLOYEE RECOGNITION AND APPRECIATION
出典:TINYpulse


感謝の効果は他にもいろいろ!

「幸福学」の第一人者であるアメリカの心理学者、ソニア・リュボミアスキー博士の研究では、自身の著書で、感謝をすることに次のような効果があるとしています。

1. ポジティブになれる
2. 自信と自尊心が高まる
3. ストレスやトラウマに打ち克つ力がつく
4. 道徳的な行動をとれるようになる
5. 良い人間関係を築くのに役立つ
6. 他人と比較して不満を抱くことが少なくなる
7. ネガティブな感情が薄れる
8. 快楽順応(快楽・幸福感に慣れてしまうこと)を防止する
出典:『幸せがずっと続く12の行動習慣

これは感謝をする方も感謝をされる方も同じこと。感謝を通してお互いが公平さ、寛容さ、牽引力、そして親身に相手を思いやる心に溢れた人間に成長できるのであれば、やはり部下の働きを認め、感謝するということは、とても価値のあることだと分かりますよね。ぜひ下記の記事も参考に、実践してみてはいかがでしょうか。

タフな上司より、思いやりのある上司が部下と会社を成長させる!
部下も会社も皆で一緒に成長するための、部下の上手な育て方