50歳以上の女性をターゲットにした化粧品は、どのように大人女性の心をつかみ、顧客エンゲージメント向上につなげているのか?

顧客エンゲージメント

最近よく目にするのが、女優の宮本信子さんと原田三枝子さんが出演している資生堂「プリオール」のCM。とてもイキイキとしていて美しい二人の笑顔と、「大人の七難すんなり解決」というキャッチコピーがとても印象的です。

 

 


久本雅美さんが出演している花王「ソフィーナ プリマヴィスタ」のCMも、「50代の肌をぱっと明るく!マイナス5才肌」という心弾むキャッチコピーがつかわれていて、大人女性の興味をぐっと引き寄せたはずです。

 

 


ここ数年、50歳以上の女性をターゲットにした化粧品に力を入れているメーカーが増えてきましたが、そこには2019 年に 全女性人口の 50%を超える過半数が50代以上になるという背景があります。新時代を前に、メーカー各社は顧客満足の最大化を目指し、このターゲットのインサイト(本音)を徹底的に調査して商品に反映させています。そこで今日は、女性一人ひとりに歩み寄り、「年齢と上手に付き合いながら自分らしく美しくありたい」という女性の思いを反映させた資生堂「プリオール」と花王「ソフィーナ プリマヴィスタ」にのさまざまな工夫、そしてそれがどのように顧客エンゲージメントを向上させるのかを見てみたいと思います。


大人女性向け化粧品に見られる工夫

(以下資生堂「プリオール」から一部紹介)

・年齢サインをきれいに見せるラインアップ
→「暗い影」「下がった印象」「シミ・乾燥による小じわ」「白髪」などの女性が悩む年齢サインを解消するため
例)50歳以上女性の80%が白髪に悩み、約4割が染めてから2週間で生え際の白髪を気にしているという調査結果をもとに、使うだけで生え際の白髪を目立たなくするカラーコンディショナーを開発

・説明書(図)付きのメイクアップアイテム(アイブロー、チーク、アイシャドウなど)
→分かりやすさを求め、難しいテクニック・面倒なステップを省きたいという50歳以上女性のニーズに応えるため

・プッシュ式のスキンケア製品のボトル
→化粧水、乳液などの適量を分かりやすくするため

・カラー写真や大きな字で説明書が表示された商品のパッケージ
→目の力の衰えによる「見えにくい」という悩み解消のため


(以下花王「ソフィーナ プリマヴィスタ」から一部紹介)

・明るく血色のいい肌色に仕上げるファンデーション
50代以降の女性は肌の明るさが減少し、素肌の黄色みも強くなり、黄ぐすみ感が増すため

・拡大鏡をつけたファンデーションのコンパクト
→細かい部分を見やすくするためと、目の力の衰えによる「見えにくい」という悩み解消のため

・ファンデーションのふたを開けるとすぐに飛び出すスポンジ
→加齢と共にやや不自由になる指先でも使いやすくするため


大人女性向け化粧品が顧客エンゲージメントを高める理由

これら化粧品に共通しているのは、大人女性の本音とニーズに基づいた「顧客目線」であること。各メーカーが掲げるコンセプトやキャッチコピーも分かりやすく、女性の共感を生むものに。そして、そのニーズを満たす商品のラインアップに、愛着を覚える女性も多いのではないでしょうか。

このように共感と愛着を獲得することで、顧客エンゲージメントが高まります。この2ブランドであれば、「大人の七難すんなり解決」「化粧のりで変わるよ!-5歳肌。」という「ビジョンやミッションの的確な伝達」を行うことにより女性の共感を獲得しています。そして、細かい部分まで配慮し、悩みを解消し、女性より美しく見せる「優れた顧客体験の提供」を行うことにより女性の愛着を獲得しています。(下記顧客エンゲージメントフロー図参照)

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化粧品の新市場が想像されつつある今、顧客エンゲージメントを強化することが既存商品の改善やさらなる新商品開発につながり、それが友人・知人への推奨やリピート・プレミアム価格での購入を誘発し、結果持続的成長を促すのではないでしょうか。