従業員エンゲージメントを37%向上させた小松製作所に学ぶ、マネージャーが気を配るべき5つのポイント

従業員エンゲージメント

最近従業員エンゲージメントに真剣に取り組む企業が増えてきました。以前はブラック企業として有名だった某企業も人事制度改革を行い、労働組合を新設したり、事業分野別にカスタマイズした評価・昇格・賃金制度を導入したり、研修制度を充実させたり、労働時間や勤務場所などについて裁量を持たせる「柔軟な働き方」を推奨したりと、長く働ける環境づくりやキャリアアップのサポートに力を入れているようです。

やはり人は、経営の4要素といわれる、人、物、金、情報の中で一番重要で、人財を大切に育てることが会社の成長につながる(従業員エンゲージメントの向上=持続的成長)ということに気づいている企業が増えてきている証拠です。


従業員エンゲージメントの向上に成功した小松製作所

2012年の4月、建設機械の日本でのシェア1位、世界で2位を誇る小松製作所は、従業員エンゲージメント強化に乗り出しました。

従業員エンゲージメントを高めるのに行われたのは、マネージャー層が、イノベーションを起こす思考や発想を生むチームを作るための研修とワークショップ。なぜなら現場の従業員のエンゲージメントを左右するのは直属の上司だからです。

変化を起こすためには、そこで働く人が変わっていかなくてはいけません。特に従業員エンゲージメントを左右するマネージャー層は、自身のチームメンバーのエンゲージメントを高める方法を知らなければいけません。そこでマネージャー層が気を配るべきが、次の5つ。これがあることでチームのエンゲージメントとパフォーマンスは圧倒的に高まると言います。

①信頼:

信頼のもととなる安心や確信を感じることで、従業員というのは、よりリスクを冒すことに抵抗がなくなり、周りと情報共有をするようになり、イノベーションを生み出し、ぬるま湯に漬かったような状態をどんどん打破していくようになるということが分かっています。

②モチベーション:

必要最小限の仕事ではなく、新しい挑戦ができて成長できそうな仕事に対して、人はよりやりがいを感じ、一生懸命モチベーション高く取り組むものです。

③変化:

企業が大きくなれば大きくなるほど事業環境の変化のスピードというのは遅くなりがちですが、イノベーションに対応するために柔軟になることは必要不可欠です。

④チームワーク:

一人ひとりがオープンなコミュニケーションや密な連携を取ることで、より大きく難しい挑戦に踏み込めるようになります。

⑤権限委譲:
現場の従業員を信頼し、権限を与えることで、より一人ひとりが自分の考えが必要とされていると感じるようになり、「やらされ仕事」が「自分の仕事」に変わり、仕事に価値を見出すことができるようになります。

これらを実践させる研修やワークショップを行うことで、小松製作所はエンゲージメントを半年で33%から70%へ、工場のパフォーマンスを9.4%向上させることに成功しました。


従業員の愛着と共感を高めるための小松製作所の取り組み

従業員エンゲージメントというのは、従業員が企業に対して愛着を感じるともに、企業のビジョンやミッションに共感することで、自社の存続や成長に積極的に関わっていこうとする行動のことです。

小松製作所では、「安全・安心で、能力を最大限に発揮できる職場」を提供するための仕組みづくりに積極的に取り組んでいます。各分野のプロフェッショナルとして活躍するための充実した教育研修体系を整えるだけでなく、柔軟性のある育児支援、介護支援、その他休暇制度を提供することで、「優れた従業員体験」を生み出し、従業員愛着の獲得へとつなげているように思います。

また小松製作所では、経営層を含むグループのすべての従業員が現場や職場で永続的に継承すべき価値観を“コマツウェイ”として共有してきましたが、2011年度にはコマツウェイの冊子を改定し、考え方、価値観の解説文をわかりやすくし、事例を追加し、さらにブランドマネジメントの考え方を追加。そして、従業員エンゲージメント強化に取り組んだ2012年度には、国内主要拠点及びグループ会社において、マネジメント層に対する説明会を実施。彼らが自ら、現場の従業員に日常業務を通して考え方や心構えを伝えるという活動を開始しました。こうしたビジョンやミッションの的確な伝達があったことも、従業員共感の獲得につながり、従業員エンゲージメントが向上したきっかけとなったのではないでしょうか。

参考:
White Paper: Increasing Employee Engagement at Komatsu
小松製作所