JALのFacebookに見る、批判者・中立者を推奨者に変えるための取り組み

エンゲージメント

2010年1月に経営破綻を経験したJAL、当時は「官僚的」「顔が見えない」など批判も多く、ブランドイメージも大きく傷ついていました。しかし、2011年4月にFacebookページを開設後、みるみるうちに人気が出て、「企業Web・グランプリ」では、2011年と2012年の2年連続で、ソーシャルネットワーク部門のグランプリに選ばれたほど。2014年6月12日にはFacebookのファン数も100万人を超え、破綻時のネガティブなイメージを払拭しつつある印象を受けます。そのJALが行なったFacebookでの取り組みとはどのようなものなのでしょうか。

JAL公式Facebookページの特徴

JALはFacebookを通して、経営破綻の時に指摘されていた「顔が見えない」を変えようと「顔が見える化」に注力。360度(あらゆる方向)&365日(常に接触していく=Always On)がソーシャル時代のコミュニケーションであることを理解し、あらゆるチャネルで情報を伝えるだけでなく、365日ユーザーとの接点を持つことに重点を置いてきたと言います。そんなJALのFacebookページを見ると、次のような特徴があることに気づきます。

  1. 少なくとも1日1回以上更新をしている(Facebookチームが休みの土日祝を除く)
  2. 日本全国の社員が、実名で写真と共に登場している
  3. 社員が投稿する文章が長めで、それぞれの個性と生の声が伝わりやすい
  4. 投稿に対するエンゲージメント率が高い(いいね!、シェア、コメント数など)
  5. 多く寄せられるコメントに対して、全体に向けた返信を1回、必要と思われるものは個別に返信し、リピーターには「いつもコメントありがとうございます」と必ず返している

JAL公式Facebookページがファン醸成に至ったワケ

JALのFacebookページは、「顔が見える化」されたことで、JALの全国の社員総動員でFacebookを盛り上げている様子が見られます。それにより、JALという「企業」より、そこで働く「人」の想いや活動に焦点が当たり、今まで知らなかった裏舞台を知ることができるようになっています。機内清掃員の方の投稿を見て「へー!」、事業推進の方の活動紹介を見て「こんなこともやっているんだ!」など、興味や共感を呼び起こされるものが多いのも確か。また、様々な風景の中を機体が空を飛ぶ姿、国内だけでなく世界各地の名所紹介など、思わずワクワクする投稿も満載。また、2013年11月、ANAのFacebookページがJALより先に100万いいね!を記録したのですが、その時の【ファン100万人達成御礼】の投稿に、JALが最初にコメントしたのを見て親近感を覚えずにはいられませんでした。

JALのFacebookに見る、批判者・中立者を推奨者に変えるための取り組み

ライバルの功績を素直に称えるJALの姿にスポーツマンシップのようなものを感じ、清々しい気分になったものです。ANAのいいね!数100万達成時、同時にJALのFacebookでは下記のような投稿も行われていました。

JALのFacebookに見る、批判者・中立者を推奨者に変えるための取り組み

写真の奥でANAの飛行機が先に飛び立っているのが見えますね。本来なら自社媒体に他社の機体の写真を掲載するのはご法度と感がるのが当たり前ですが、今までの常識を覆し、ユーモアと寛大さで多くのファンの心を捕えました。 これはまさに、“新生JAL”と呼ぶにふさわしいアクションでした。

前述の「JAL公式Facebookページの特徴」のところでは、「投稿に対するエンゲージメント率が高い」と挙げましたが、これはJALの存続・成長を応援してくれるファンが多いということ。それもこれも、再建を目指してお客様一人一人との対話を大切にしようという真摯な姿が伝わり、それが信頼感、親近感を呼び起こし、共感や愛着につながったからだと言えます。

経営破綻をした頃のJALは、お客様満足測定の指標であるNet Promoter® Score(ネットプロモータースコア=NPS®:顧客推奨意向)で見たら、「批判者」や「中立者」がずっと多かったかもしれません。でもFacebookを通じて「推奨者」へと転換させつつあるJALの取り組みに、多くの企業が学べることもきっと多いはずです。