高い企業力や持続的成長を実現する花王のパワーの源は、組織を束ねる「花王ウェイ」?

従業員エンゲージメント

花王と言えば、洗剤、石鹸、シャンプーなどの日用品で有名ですよね。私たちの生活に深く根付いていることもあって、2015年6月期の中間決算では過去最高の営業利益600億円を計上。東洋経済オンラインの「連続増配年数が多い400社ランキング」では、1位となり、連続増配年数はなんと26年という実態から、企業力の高さや、持続的成長を実現していることをうかがい知ることができます。この花王のパワーの源は、企業理念の「花王ウェイ」にありそうです。


社員が歩むべき道を示す「花王ウェイ」

花王の企業活動の拠りどころとなる企業理念が「花王ウェイ」。これは2004年にまとめられたそうですが、それ以前にあった社是社訓への「日本的すぎる」「言葉が少なすぎてわからない」という意見や、グローバル化を受けて、会社の大切にしている価値観をより分かりやすく共有するために作られました。

基本的には社員の「道しるべ」の役割を果たすもので、使命を達成するためのビジョン、基本価値観、行動原則が下記のように分かりやすく示されています。

高い企業力や持続的成長を実現する花王のパワーの源は、組織を束ねる「花王ウェイ」?

出典:花王グループサイト

これを基本とすることで、企業活動はブレのない一貫したものになるはずです。でも花王のようなグローバル企業がこの理念を浸透させるには相当な努力が必要なはず。一体同社はどのような取り組みで「花王ウェイ」を浸透させているのでしょうか。


企業理念を浸透させるためのグローバル企業ならではの努力

花王では、「花王ウェイ」を浸透させるために実に多くの取り組みを行っています。

勉強会:定期的に部署ごとに花王ウェイを読み、花王ウェイを日々の業務にどのように落とし込めるのか、日々どのように行動できるかという点を話し合う

社内報:「Kao Family」という和文と英文併記の社内報を四半期に1回発刊し、グローバルでメッセージにぶれのないようにする

ビデオニュース:現場の活動、イベントの様子、トップメッセージなどを収めたビデオニュースを日本語、英語、中国語バージョンでそれぞれ作成し、グループ全体に共有する

ニューズレター:各部門の花王ウェイの活動や実践事例をグループ全体に紹介する「花王ウェイニューズレター」を2か月に1回程度送る

レコグニション:花王ウェイに基づいた模範的な行動を皆でたたえ合い、表彰する行事を「花王ウェイ レコグニション」を開催する(社長がその場にいれば社長自らが表彰することもあり大きな盛り上がりを見せるそう)

エントリーシート:エントリーシートに花王ウェイについて書く欄があるため、徹底的に花王ウェイを学び、共感を持った人がエントリーできるようにしている

上記の花王ウェイ浸透の活動を通し、活性化したり風通しがよくなったり……という部署が増えたのだとか。勉強会はコミュニケーションの場となり、真剣に議論することで発見やアイディアが多く生まれ、今注目されているダイバーシティへの理解を深めることができるようにもなっているそう。「花王ウェイ レコグニション」は社員のモチベーションアップにもつながるでしょうし、花王のように最初から企業理念に共感を持って入社する社員を採用することで、理念実現に向けた自発的な「考動」が起こりやすくなるように思います。

この「共感」は従業員エンゲージメントにも欠かせないものです。企業がビジョンやミッションを的確に伝達することで得られる従業員の共感から自社の存続や成長に積極的に関わっていこうとする考動が生まれるため、サービス品質向上、サービス改善や新商品開発提案の増加、離職率の低下、雇用・教育コスト削減といった従業員エンゲージメントの向上につながり、結果として売上・利益の拡大や、持続的成長をもたらすからです。

花王ウェイの一番上にあるビジョンは「豊かな生活文化の実現」として明確に表されていますが、豊かな生活文化とは何かを社員一人ひとりが自問し、事業活動を通してどのように貢献できるかを考え、花王ウェイを基本として仕事をすることが、花王のメーカーとしてのパワーにつながっているのではないでしょうか。

参考:
http://toyokeizai.net/articles/-/77559
http://www.kao.com/group/ja/group/kaoway.html
http://www.nikkeibp.co.jp/article/hco/20111221/294493/?P=1