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    2015.10.09 従業員エンゲージメント
    「がんばらない」というケーズデンキのユニークな経営哲学

    近年競争が激化している家電量販店業界。Amazonなどのネット通販の脅威もあって、各社は生き残りをかけて、価格の見直しを行ったり、サービスの充実化などに力を入れると同時に、住宅販売・リフォーム事業など新しい事業へ進出したり、買収や資本提携などを積極的に行っています。

    そんな中でも「オンリーワン」の地位を確立していると思えるのが「新製品が安いケーズデンキ♪」のCMでおなじみのケーズデンキ。売上高では業界第四位ながらも時価総額は第二位で、堅実な成長を続けています。さらに注目すべきは2014年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第4回 調査結果。全6項目(顧客期待・知覚品質・知覚価値・顧客満足度・推奨意向・ロイヤルティ)のうち、知覚価値(消費者が製品に対して抱く品質や費用に対する総合的な価値判断)とロイヤルティ、で1位、他の4項目で2位にランクインする健闘ぶり。日経ビジネスの2014年版アフターサービスランキングでは堂々の1位となり、従業員の丁寧で迅速な対応が評価されました。

    ケーズデンキの成長とお客様からの支持の獲得は、同社のとてもユニークな経営哲学のおかげで実現できているようです。

    オンリーワンの経営方針

    ・がんばらない経営
    ケーズデンキがオンリーワンの地位を確立していると思う理由の一つに、「がんばらない」経営というモットーにあります。競合の真逆をいくようなモットーですが、これは、2代目社長でもあった加藤修一現会長の「業界1位にならないようにがんばらないことを心がけたい。1位になった会社はやがて衰退してしまう、だからゆっくりと成長することを目指す」という想いが反映されたもの。これは決して怠けるという意味ではなくて、例えば高い売上目標を立ててその達成のために無理をしてお客様にあわない商品をお勧めするのではなく、基本的なことを確実に行って売上を上げようという考え方です。

    他にもケーズデンキには、次のようなユニークな特徴があります。

    ・大切なのは「社員→取引先→お客様」
    ケーズデンキが大切にするのは、「社員→取引先→お客様」の順番。(普通だったら逆ですね)従業員を一番大切にすることでお客様目線の接客につながり、最終的にお客様の満足度とロイヤリティにつながる、と考えるのがケーズ流。さらに、お客様よりも取引先を大切にしているからこそ、会社と取引先との関係がより円滑なものとなり、より良い商品をお客様にお届けすることも可能となります。ここに加藤会長の「人を幸せにするために商売はある」という信条が強く反映されています。

    ・ノルマなし、残業なし
    これも従業員を一番大切に思うからこその経営方針。ノルマがあるとどうしても利益率の高い商品ばかり推してしまいがちになりますが、ノルマがないことで接客に専念することができるようになり、本当にお客様が必要としているものを提案して喜んでいただくことが可能になります。

    ケーズデンキでは週休二日制と定時退社も当たり前。シフトは60パターンを超え、重複勤務という無駄を排除。負担を減らし、働きやすい環境を整えることで、従業員の中に自然とお客様を大切にする心が生まれるのだとか。

    ちなみにこの制度のおかげで、ケーズデンキの離職率は業界平均の1/3だそうですが、離職率が低下することで雇用・教育コスト削減を図ることもできますね。

    ・できる人を増やすのではなく、できない人を減らす
    「100点満点の一人より、80点の人がたくさんいる方がいい」という考え方のケーズデンキは、できる人を増やすよりできない人を少なくする、特別できる人材を育てるよりもチームワークを高める、という教育方針を採用しています。

    ・接客担当は接客だけ行えばOK
    たとえお客様がいない時でも、接客担当は接客以外しなくてもOKというのがケーズデンキの方針。この背景には、接客以外のことで気を取られてしまうと、お客様が来店された時に接客がおろそかになってしまうから、という理由があります。

    ・家電以外は手を出さない
    競合は家電以外(医薬品、ブランド品など)の商品も扱っていますが、ケーズデンキは家電販売に集中するというモットーを守っています。全ての売り場を家電製品の展示に使用でき、展示商品や在庫も多く用意できるようになり、従業員の専門性も高まります。前述の接客担当は接客だけ、というモットーと同じく、常に最大限の売り場づくりと接客をするためのようです。

    ・ポイントではなく現金値引
    新たなCMキャラクターに 「ちびまる子ちゃん」を起用し、下記のようなCMを展開しているケーズデンキ。

    友蔵:まる子はなんで現金値引きが好きなんじゃ?
    まる子:後から使えるポイントより、その場で使える方がいいじゃん。
    友蔵:しっかりしとるなぁ。
    ナレーター:お得なことにはめざといまる子であった。

    これを見て、「確かにそうだよね、その場で現金値引きの方が嬉しいよね」と思ってしまうのは私だけではないはずです。ポイントカード制度はリピート客を増やすのに一役買いますが、ケーズデンキの考え方は「安さを提供することでファンを増やす」というもの。さらには、お客様は自由であるべきだから、ポイントカードで縛るべきではないという考えもあるようです。ポイントカードのシステム投資をしない分安さが保証できるというメリットもありますね。

    以上、全てではありませんが、ケーズデンキの特徴をご紹介しました。

    加藤会長は「がんばらない」経営について、

    ケーズデンキでは、やるべきことを明確にしましょう、としています。頑張れ、というと10くらいのことを手がけてしまうのですが、やるべきことを明確にすると2つくらいのことをやっておけば良いということになります。そうなると確実にでき、できるから業績が上がる。それが頑張らないということです。
    引用:Phile-web

    と話しています。実績がともなっているからこそ、言葉に深みと説得力がありますよね。

    ただ、ケーズデンキのやり方をそのまま真似しても同じように成功するとは限りません。でも会社が従業員を大切にし、従業員が安心して長く勤められるような環境が整備され、従業員が会社を支えている会社をつくるために何ができるのか、ヒントを得ることはできるのではないでしょうか。

    参考:
    https://www.ksdenki.com/corp/company/http://gyokai-search.com/3-kaden-ryohan.htmhttp://matome.naver.jp/odai/2134604668486823301

    SHAR

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