ラグジュアリーブランドに学ぶ、質の高いカスタマーサービスを提供する5つのコツ

顧客ロイヤルティ

海外の映画やテレビでよく見るシーンに、ラグジュアリーブランドショップで買い物をする客に対して、店側が高級シャンパンでもてなす場面があります。そのシーンを見るたびに、そんなVIP待遇にあこがれるものですが、やはりラグジュアリーブランドや、その製品を販売する企業は、顧客に最高の体験をしてもらおうと、製品の価値に見合った “ラグジュアリーなカスタマーサービス”を提供することを最優先としているように思います。

アメリカに「Crown & Caliber」という中古の高級腕時計(ロレックス、カルティエ、ブライトリングなど)の売却を手伝うことを事業にしている企業があります。同社はその売却を通して高級品市場から多くを学び、高級腕時計の人気と不況も手伝って、2012年の設立後、順調に業績を伸ばしています。

Crown & CaliberのCEO、ハミルトン・パウエル氏はこう話します。「高級品を扱う時には、信頼とプロ意識がビジネスの基盤となる。お客様を安心させることができてはじめて、最高のカスタマーサービスを提供することができるだろう。接客をするスタッフがお客様の気持ち・感情を理解して接することで、お客様が愛用されていた高級時計の売却を私たちに安心して任せてくださるように」。

多くの企業は高級品を扱うわけでもなければ、裕福層をターゲットとしているわけではないかもしれません。でもどのような商品・サービスを扱っていても、どのような層をターゲットとしていても、ラグジュアリーブランドのようなおもてなし精神を持って、お客様一人ひとりとの信頼関係を丁寧に築き上げることの重要性をパウエル氏は指摘します。

ここで、パウエル氏が自身のラグジュアリーブランド販売を通して学んだという、カスタマーサービスの質を高めるためのコツを5つご紹介いたします。


①お客様の気持ち・感情を理解する

接客担当者全員が心に留めておきたいこと、それが、お客様の気持ちや感情を理解する努力をするということです。製品やサービスに詳しいのは当たり前だと思いますが、お客様に対する理解や尊敬の念が欠落していたとしたら、お客様自身が「自分は大切にされているんだ」と感じることができず、顧客満足度はもちろん、顧客ロイヤリティの向上につなげることは到底難しくなってしまいます。

Crown & Caliberの社員は、「おばあちゃんのスタンダード」 (Grandma Standard)と呼ばれる教えを日々の接客に活かしているようです。これは「もしこのお客様が自分のおばあちゃんだったら?」と考えて接しなさい、というもの。確かに自分のおばあちゃんだったら、温かい気遣いを持って接するはずですよね。お客様を自分の身内のように大切な存在として扱いなさい、という教えは分かりやすく自分事化しやすいですね。


定期的にフィードバックを収集する

パウエル氏は、「自分の接客はどうだろうか?」と考えることではなく、「お客様は自分の接客をどう思っているだろうか」にフォーカスすることが大事だと話します。Crown & Caliberでは四半期ごとに、NPS(ネットプロモータースコア®)調査を行い、接客の改善に役立てています。

ここでおさらい:NPSとは? 
NPSとは、自社の商品やサービスを周りにすすめる可能性はどれくらいあるかという質問に対し、0~10の間で答えてもらい、その数値によって0〜10のスコアで「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのグループにわけて把握するもの。アップル、アマゾン、ナイキ、アメリカン・エキスプレス、フェイスブック、サウスウエスト航空などをはじめ、全米売上上位500社(フォーチュン500)のうち35%の企業が採用し、さらに5%の企業では経営の根幹として取り入れていると言われている。

③カスタマーサービスをデータで追う

Crown & Caliberでは、リピート顧客の割合、顧客と電話で話した時間などの細かいデータを、カスタマーサービスチームが日々収集し、それを改善につなげているようです。細かいデータを追うということは、ちょっとした変化などにも気づきやすくなり、迅速な対応が可能になりますね。


お客様の声を聞き、誠意を持って対応する

お客様は自分の声や企業・ブランドに届いているのか、という部分にとても敏感です。SNS、特にツイッターなどは、お客様の声をリアルタイムで拾うのにぴったりのツールです。ただしパウエル氏は、いくらSNSが重要視されているからといって、ツイッターの声を拾ってそれに対応することだけに注力してはいけない、カスタマーサービスセンターに電話をしてきたお客様に対しても同じように迅速に、誠意を持って対応することが重要だと話します。カスタマーサービスを提供するチャネルに偏りや優先度の違いがあってはいけないということですね。また、パウエル氏はこのようにコメントも。

「唯一のコミュニケーションがデジタルのお客様と、親密な関係を築くのはなかなか難しいもの。一方電話の場合、デジタルな対応よりは従業員の手間は増えるけれど、お客様の感情をより感じやすく、お客様との関係値がより築きやすいという利点もある。だから『面倒くさい』なんて考えるのはもっての外」。


⑤従業員全員を“カスタマーサービス向上委員“にする

例えどんなに自社のカスタマーサービスチームが優れていたとしても、従業員全員の意識をカスタマー向上に向けることは非常に重要です。カスタマージャーニーにおいて、顧客があるタッチポイントから別のタッチポイントへと次々と移動していく流れ(例えば、Webサイトからチャット、さらには電話へと移動するなど)において、あらゆるタッチポイントで顧客の基本情報が共有できていることに加え、直前のタッチポイントでお客様がどのような行動を起こしていたのか、どんなことに引っかかったり、お困りだったのか、といった状況に関わる情報共有を行ってみてはいかがでしょうか。


パウエル氏は、企業の規模や業界、ターゲット市場に関わらず、カスタマーサービスを第一に考えることが必要だと話します。

「お客様が企業・ブランドにとって単なる取引の一部ではなく、大切な存在であるということを、お客様との関係を築くことで表すことがとても重要である。中小企業であれば、これを事業の基盤とするとよいだろう。お客様のニーズを最優先することに注力してほしい。企業・ブランドの規模がどうであれ、お客様に最高のサービスを提供するということが最も大切なのだから」。


引用:http://www.businessnewsdaily.com/7630-luxury-brand-customer-service.html