エンゲージメント構築のためのNPS中級レッスン(3)~顧客価値を測る3つのステップ~

NPS

トータル・エンゲージメント・グループで企画を担当してます、なかやです。

この連載企画「エンゲージメント構築のためのNPS 中級レッスン」では、NPSに興味は持ってはみたけれども、いまひとつ活用方法がピンとこない、という方々に、NPSの「いいかんじの使い方」をお伝えしてゆきます。

 第1回目では「NPSでもっとも大事なこと」というお話を、第2回目は「NPSでの数値比較」というお話をしてきました。

 Net Promoter Scoreって、知れば知るほどおもしろさを実感する評価指標です。実際、解析していて、ワクワクしてきます。お客様の本音がデータの中に埋蔵されている、この中に新しい発見があるかも、と思うと「もしかして、こんなこともわかるんじゃないだろうか?」と、いろんな分析をしてみたくなったりします。

 今回は、知ってしまうと、いろんな分析をしないではいられなくなる「推奨者・中立者・批判者の価値」の算出についてお話ししたいと思います。

 推奨者と批判者の価値の差を算出するための3つのステップ

「XXを親しい友人や同僚にオススメする可能性は?」という究極の質問で9点10点のスコアをつける「推奨者」の顧客はリピート購入の可能性が高く、しかも周囲に積極的によい口コミをしてくれるありがたい顧客です。一方で6点以下のスコアをつける「批判者」の顧客はリピート購入の可能性が低く(あるいは競合ブランドにスイッチしやすく)、周囲によい口コミをしない、場合によっては悪い口コミをするかもしれない顧客です。

同じ顧客でも、顧客価値に差が出るのは当然だと想像できますね。では、その差が実際、どれくらいあるのかを測定したことはありますか? 

CRMを導入している企業ならば、比較的簡単にその価値を測定することができますので、ぜひ、やってみてください。

手順は以下の3ステップです。

 (1)CRM登録者にメールを送り、究極の質問を含む数問のアンケートを実施し、回答を得る

(2)回答データとCRMの購入履歴データを結合させる

(3)推奨者・中立者・批判者それぞれの顧客価値を算出して比較する

 

具体的に顧客価値を算出しましょう

 顧客価値を数値化するにあたって、弊社ではLTVとLRVという2つの値を算出します。耳馴染みのない「LRV」を持ってくるところが、一般的な顧客価値算出とは異なるユニークな部分です。

 LTVはおなじみですね。Customer Lifetime Value、顧客生涯価値のことで顧客の累積購入金額から累積顧客獲得コスト(や維持コスト)を引いた金額を指します。たとえば2万円のコストをかけて獲得した顧客が、1万円の商品を5回リピート購入したとすると、その顧客のLTVは1万円×5回 - 2万円=3万円 となります。

 LRVについてはほとんどの方がご存知ないのではないかと思います。 「Lifetime なんとか Value」なんだろうな、という予想はつきますね。

正解は、Lifetime Referral Value、顧客口コミ価値です。

「これ、いいサービスだから、ぜひ使ってみるといいよ」

顧客が周囲にお勧めすることの価値を数値化したものです。推奨者は積極的に周囲に推奨するため口コミ価値が高く、逆に批判者は口コミ価値がほぼゼロです。

このLRVの算出のためにはアンケートに以下のような設問を設置して、回答者が実際にオススメしたことある人数や、誰かからオススメされたときにどれくらい影響されるかを数値化しておきます。 

  • あなたはXXをこの1年間に何人くらいの人にオススメしましたか
  • あなたは人からよいサービスをオススメされたとき、どれくらい影響を受けますか

これらの設問から、口コミによる周囲の人への影響力を係数化し、どれくらいの顧客を創造したかを算出します。口コミによって生み出された新規顧客の人数に顧客1人あたりのLTVを掛けると、LRVが算出されます。

通常、計算をシンプルにするために、LTVやLRVは「直近1年」で算出します。また、顧客獲得コストはあらかじめ算出しておいた1名あたり獲得コストを使い、1年未満の顧客に適用します(あるいは無視します)。

 推奨者、中立者、批判者それぞれのLTVとLRVを算出して、その和を求めると、それぞれの「顧客価値」となります。多くのケースで「こんなに違うのか!」と驚くような金額差が出てきますので、お試しください。