NPS®( Net Promoter Score)の意義(1):NPSは業績の先行指標である

NPS

今日はネットプロモータースコア®(以下、NPS)についての初歩的なことをお話したいと思います。

NPSを経営における重要な指標、すなわちKPI(Key Performance Indicator)として採用し、活用する意義、メリットには様々なものがありますが、私が一番の意義だと考えるのは「業績の先行指標である」という点です。

すなわち、NPSの数値が改善すると、しばらくしてから業績の向上となって現れるということです。NPSは、業績に先立って変化が起きる指標ですので、業績に対する「先行指標」と言うわけですね。

一方、「業績」(売上や利益など)は、基本的に「遅行指標」です。

製品やサービスを開発し、その後、広報・広告などのマーケティング活動を展開し、また営業パーソンの地道な営業活動の末にようやく、売上・利益が上がってくる。すなわち、業績とは、企業活動の集大成として最後に現れる「結果」に過ぎないのです。

本来、結果そのものはコントロール(管理)することはできません。もちろん、売上や利益をKPIの一環として立てることはできますが、業績はあくまで企業活動の結果ですから、コントロール対象とはできないのです。

コントロール対象とすべきは、業績という結果をもたらす「企業活動」です。具体的には、研究開発や生産、マーケティング、営業などであり、また管理部門の様々な活動です。

 ところが、企業によっては、経営者が「業績目標」を示すのみで、本来のコントロール対象である「企業活動」そのものについては明確な指針や指標を示さないということが起きています。単に「売上上げろ」、「利益増やせ」というばかりでは、現場はどうしていいかわからないのです。

「何を拠りどころにして、各部署の活動を最適化すればいいのか?」

この点があいまいなままでは業績向上にもなかなかつながりません。このような時こそ、「NPS」を企業活動が好ましい方向で行われていることを測る指標として採用すればいいのです。

NPSとは端的に言えば「他者への自社、自社製品・ブランドの推奨意向」の度合いを示すものです。

NPSの数値が上昇するということは、顧客に対して優れた製品、また様々なタッチポイントにおいて好ましい顧客体験を提供できていることの証となります。NPSを様々なタッチポイントで測定すれば、おそらく企業のほとんどの部署の活動が関与しているでしょう。

したがって、全社的にNPSが向上するということは、真の「顧客志向」が企業活動において実践できているということであり、その結果として業績向上につながっていく。

サウスウェスト航空、ザッポス、アップルストア、アメリカンエクスプレスなど、世界の名だたる企業がNPSを全社的に活用している理由のひとつとしては、現場の企業活動を好ましい方向に仕向ける先行指標であり、確実な業績向上がついてくるからなのです。

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Lenna Mariana Russ

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 (執筆者)

松尾順

松尾 順

株式会社シンクー

エンゲージメントフォーラム CEO(Cheif Engagement Officer)