停滞アパレル企業の強み・弱みを見える化!  NPS調査は顧客視点を課題抽出に活用する

NPS

こんにちは、シンクーの中谷健一です。「売上が伸びない打開策に、「接客スキル研修」は間違ってる?」では、売上が低迷する小売店さんを例に、接客スキル研修導入を検討する前に現状調査が大事なのでは? というお話をしました。

自分たちの弱点、つまり売上が伸びなくなった本当の原因を、「よくわからない」という状態のまま研修を実施して、本当に売上を変えることができるのでしょうか? わたしたちの提供するNPS調査とセットになった研修は、その問いに対して解を持っています。

今回は、引き続き、売上低迷打開のために研修を検討していたメンズアパレル企業の事例をもとに、研修前に実施したNPS(ネットプロモータースコア)調査についてご紹介したいと思います。

お客様視点でお店を丸裸にするミステリーショッパー調査

わたしたちの提案に賛同頂き、研修の方向性を定めるための顧客調査を実施することになりました。全国の店舗でミステリーショッパー調査(覆面調査)という手法を使いました。

NPSを使った調査は実際に店舗利用したお客様に聞くのが一般的ですが、詳細の調査を行うには数多くの設問が必要になります。調査項目が40問を超える場合、わたしたちはミステリーショッパー調査をオススメしています。調査員は、お店のある地元に住む一般の方々。今回のケースではクライアントの想定顧客である20代〜40代の男性に設定しました。

シンクーではインターネットモニターに登録している方々に募集をかけ、こうした一般の方々に調査手順の教育を施してからミステリーショッパーとして店舗調査をしてもらいます。その場所に暮らす一般顧客の感性をもとに評価してもらうことで、よりリアルなお客様視点からの意見に近づけるのが目的です。

店舗でのお客様の評価を数値化して強み・弱みを発見!

調査では入店前、入店直後の印象、店内回遊時にどんなことをされたか、接客時の印象、お見送り…など、店舗でのお客様体験を約60のチェック項目に細分化して調査しました。 

調査結果を見てみると、入店直後や店内の回遊時の対応などお買物体験の前半での印象と、個別接客や商品説明など後半での印象が大きく異なるという結果になりました。

老舗アパレル企業ならではの強みは専門的な商品知識や提案力。豊富な商品知識、テキパキした接客、会話力などは高い評価を得ており、こうした点がお客様の満足度を高めるのに大きく貢献していることがわかりました。また販売されている商品への評価も高いことがわかりました。

NPS調査データ1

その一方で、入店から店内回遊のシーンではネガティブな体験をした人がポジティブな体験をした人の数を大きく上回りました。ここでの体験印象がお店に対する満足度を大きく下げていることがわかりました。調査員の7割以上が「このお買物体験が調査目的でなければ、商品購入せずに退店していた」と回答しました。

NPS調査2

効率的にお客様満足度を向上させる項目を見つけ出すNPS調査

「お客様に感動を与えられる対話力や商品力といった強みを持っていながら、7割以上のお客様をそれより前の段階で失望させ、退店させていたのかもしれない」といった衝撃的な事実が浮かび上がります。

逆に言えば、入店後の挨拶や対応を徹底して前半のお買物体験の印象を改善すれば、売上が飛躍的に向上する可能性を秘めているとも言えます。

 

ここでNPS調査の特徴が発揮されます。NPSは「友達や同僚にオススメする可能性」を聞きますが、実はその回答の裏にある顧客の近未来の消費行動の可能性をあぶり出しています。

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約60のお客様体験チェック項目のうち、どの項目がどれだけこの点数に影響力を持っているかを統計的な処理で数値化することができます。

この分析から、お客様の満足度を向上するためにはなにから改善してゆけばよいのかが明確になります。

今回のケースでは、お客様の満足度(NPSの数値)を高めるには、「入店直後の挨拶とお声掛け、不安にさせないお買物環境の整備」が最重要課題である、ということがわかりました。

次回は、いよいよ課題を解決する研修についてご紹介します。