「オムニチャネル」をバズワードで終わらせない ~小売業が直面するチャネル戦略の課題

カスタマージャーニー

最近、家族の皆が本が欲しい時にはタイトルを僕にメールし、僕がアマゾンに発注するというルールが出来上がってしまいました。最近はカミサンの仕事仲間の分まで注文を受け付けています。「わしはアマゾンの代理店か!!」と思わず愚痴ってしまう、わたちゃんです。アマゾンのマイニングツールとリコメンドエンジンは僕をどういう人格とプロファイルしているんだろう?

小売業界がこの数年最も力を入れている施策のひとつに「オムニチャネル」という概念があります。

オムニチャネルとは?

オムニは「あらゆる」の意味、 
チャネルは「顧客接点」です。 

店舗やEC(電子商取引)サイト、電子メール、ソーシャルメディアといった多数ある チャネル(顧客接点)をシームレスに統合し、顧客に快適な購買体験や使用体験を提供しようという考え方です。この複数のチャンネルを経由する顧客体験を「 カスタマージャーニー」と呼びます。 

オムニチャネル


「マルチチャネル」と「オムニチャネル」の考え方の違い

「マルチチャネル」が、ターゲット層に合わせて、店舗、通販、ネットというように複数チャネル(販売経路)を顧客に合わせて使い分ける手法に対して、「オムニチャネル」は、顧客を中心に商品の認知から、検討、購買、利用、定着、リピートに至る一連のカスタマージャーニーで横串を刺してすべてのチャネルを併用して顧客にアプローチしていく、という違いがあります。

  • マルチチャネル … ターゲット層によってチャネルを使い分ける
  • オムニチャネル … すべてのチャネルを併用して顧客にアプローチする

小売業の成功はオムニチャネルへの姿勢で決まる時代へ

ただし、店舗とネットでのオムニチャネル化が進むと、 店は下見だけという「ショールーミング化」への警戒が起こりもします。 

一昨年、ゾゾタウンは参加ブランドの店頭でバーコードを読み取ると、店頭に並ぶ商品をその場で買わなくても、ゾゾタウンを経由してどこからでも注文できるというサービスをスタートしました。顧客がスマートフォンで価格や色など詳細な商品情報を入手できるだけでなく、ほかの商品との組み合わせ画像なども参考に買い物が楽しめる画期的なシステムでしたが、リリース後あっという間にサービスをストップしました。原因は諸説ありますが、店舗からの反発というのもあったのではないでしょうか。

オムニチャネルは今後の小売業の変革を目指せる重要なキーワードではありますが、お客様との接点と既存チャネルの基本設計と業務設計をしっかり腹に落とし込んでから展開をしないと、ただのバズワードになってしまいます。 
(※ お客様との接点と既存チャネルの基本設計と業務設計を詳しく理解した方は、3/18開催のエンゲージメント塾へ)
また、オムニチャネル化を脅威と位置づけ店舗への囲い込みに走るか、機会と位置付け積極的に取り組んでいくかは企業の置かれている立場や戦略により違いますが、「 最終的には顧客がその評価をくだす」という基本を忘れないようにしなくてはいけません。