価値あるアドバイスこそ販売員の役割 リピーター作りを心がけて

顧客ロイヤルティ

一方で、ユニクロや無印良品を支持する理由として、「販売員があまり話しかけてこない」ことを挙げる人もいます。ユニクロや無印良品は中型から大型店舗が多く、セルフ販売形式を基本としています。このため、こちらから呼び止めない限り、販売員から積極的な接客を受けることはありません。たしかに自分のペースで商品を見て回って、商品を触るのは心地良いです。他人がずっと傍に付いているとなんだか落ち着きませんから、その部分が心地良いと感じる人がかなりの割合でいると考えられます。個人的にも、セルフ販売形式のお店の方が落ち着きます。


自動販売機にはない機能とは

こう考えると、販売員を置くよりもセルフ販売に徹して、あとは技術革新によって選びやすいシステムを開発した方が商品は売れやすいのではないかと思えてきます。現在のところ販売員不足は慢性的に不足しているので、今後販売員がほとんどいない店舗が出現される可能性があります。すでに外国には洋服の自動販売機もありますし、国内でもバーチャル試着室などのウェアラブルクロージングも開発されています。今後はこれらが増えるかもしれません。押し売りや過剰接客をする販売員よりよほど売り上げに貢献できる可能性もあります。

しかし、販売員にしか提供のできない価値というのも確実にあります。自身も販売員を何年間か経験しましたが、お客様にとって販売員の価値とは「第三者として適切な意見(アドバイス)を述べてくれる」ことにあるのではないでしょうか。個人的な体験ですが、気に入った洋服、同じ形の色違いのジャケットが二つあったとき、両方を買うことができれば良いのですが、金銭的にも収納スペース的にもどちらか一方に絞らねばならない、ということがありました。自分で鏡を見てもどちらが良いかはなかなか判別できません。人間は自分で自分のことを客観視できにくいですから。その際に、販売員が適切なアドバイスを述べてくれたので、とても助かりました。「ベージュより紺色の方が似合ってますよ」とか「紺色の方が無難ですがグレーの方がトレンドでしかも意外に着こなし幅も広いです」とかいうようなことを言ってもらえるとこちらも選びやすくなります。

これは自動販売機にはない機能です。そしてそういう販売員がいる店には定期的に足を運ぶようになります。すなわちリピーターになるということです。

販売員も売らねばならないという職業意識と課せられたノルマがあり、どうしても「過剰接客」や「押し売り」をしてしまいがちです。しかし、そこをぐっと堪えてお客様にとって本当に価値のあるアドバイスを述べるようにしてみてはどうでしょう。長い目で見ればきっとリピーターが増えて売上高も伸びるはずです。とは言っても、あまりに過剰にアドバイスを与えすぎても長時間聞いている方もつらくなりますので、適度に収めるべきでしょう。