Beauty & Youth

BEAUTY&YOUTHでは
お客様からいただく苦言の前年対比
27.5%減を実現しました。

株式会社ユナイテッドアローズ
事業支援本部 販売支援部 部長 須藤 貴志氏、 お客様相談室 小林 貞裕氏にトータル・エンゲージメント・グループの『QS4Engage』を導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

ユナイテッドアローズについて
株式会社ユナイテッドアローズは、それぞれが異なるブンドコンセプトをもとにアパレルとや雑貨を扱う複数のセレクトショップを展開する小売企業です。展開するストアブランドはUNITED ARROWS、BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(BEAUTY&YOUTH)、UNITED ARROWS green label relaxingなど約20になります。東証一部上場。年商1,182億1200万円 (単体)、設立1989年、従業員数 3706名(単体)。(※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字は2016年3月31日現在)

株式会社ユナイテッドアローズ

QS4Engageによる
NPS調査・分析を依頼

株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 販売支援部 部長 須藤 貴志氏
株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 販売支援部 部長 須藤 貴志氏

今回、トータル・エンゲージメント・グループ(以下 TEG)にどんな依頼をしたのでしょうか。

TEGには、NPSパッケージ・ソリューション QS4Engageによる、自社顧客様のNPS調査・分析を依頼しました。大きくは次のような内容を、2015年6月から2016年3月にかけて3セット実施しました

 1. NPS質問項目の策定
 2. 来店顧客様へのNPSアンケートカードの手渡し
 3. 顧客様によるアンケート記入(QS4Engage)
 4. 結果の集計・分析。店舗接客の改善

計3回、累計15週にわたる調査期間中に20店舗~50店舗で合計25万枚のカードを顧客様に配布しました。その結果、回収できたリアルなお客様の声は5000件。回答率は2%となりました。TEGによれば「回答率は1%を超えれば上出来」ということだったので、回答率2%は非常に良好な数字といえます。中には回答率が10%を超える店舗さえありました。ちなみにお客様相談室に寄せられるお客様の声は「年間2万件」です。これと比べても「15週で5000件」という数字は極めて良好です。

NPSを導入した理由

NPS調査・分析を導入した理由を教えてください。

大きくは「クレーム増加への危機感から」となります。お客様からのご不満、クレームは、主に私たち販売支援部が管轄するお客様相談室に寄せられます。具体的には「挨拶がなかった」「接客に不満を感じた」「商品ラインアップを充実させてほしい」「ハウスカードのポイントが付いていない」などの内容です。4年前の2012年は、これらクレームが顕著に増加しており、ハウスカード会員の休眠・離脱の増加などにも現れていました。

この問題を解決するべく2013年から2014年にかけて、店長およびスタッフ向けの研修やOJTなどを実施しましたが、事態の改善にはつながりませんでした。そんな折り2014年秋頃に、ミステリーショッピングで既に取引のあったTEGから「QS4Engageを使ってNPS調査・分析を実施してはどうか」との提案があったのです。

NPSへの印象

その提案を受けたときの印象は?

以前から関心があったNPSについて、ついに希望にあった具体的な実現方法と出会うことができた、と思いました。NPSのことは顧客ロイヤルティやカスタマーエクスペリエンスについて学ぶ中で知りました。NPSは、「クレームを減らす」というマイナスの減少ではなく、「どうお客様に喜んでいただくか」というプラスの増加に軸足を置いています。これは「来店頻度の向上」「生涯顧客の獲得」にもつながる良質の発想とい えます。

NPSにはいつか本格的に取り組むべきだと感じていました。QS4Engageが提案されたことで、ついにその時が来たと思いました。

インタビューシーン

具体的な施策内容

QS4EngageによるNPS調査・分析は具体的にどのように実施したのでしょうか。

弊社のブランドの一つ、BEAUTY&YOUTHの店舗で次のようなスケジュールで実施しました。

 時期対象店舗
1回目2015年5月(5週間)23店舗(約半数)
2回目2015年8月(5週間)24店舗(約半数)
3回目2016年2月(5週間)46店舗(全店)

QS4EngageによるNPS調査、分析の具体的な内容は次のとおりです。

【 1 】 事前準備

1. TEGによる現状のヒアリング、コンサルティング 

2. 顧客様への質問項目の策定
- ヒアリング内容を元にTEGが 10問~15問を考案
-うち1問には、NPSの基本質問を必ず含める。
「BEAUTY&YOUTHを友人や家族、同僚にすすめる可能性は?」
- 回答は0~10点のスコア形式
- そのスコアをつけた理由も自由回答で記入

3. アンケート回答用のサイトの制作
- アンケート回答サービスQS4Engageを活用
- フォーム、デザインは自由設計が可能

【 2 】 アンケート

カードイメージ

1. カードの手渡し
店舗スタッフが来店顧客様に声かけし、QRコード入りの2つ折りカードを手渡します。カードは捨てられないよう紙質やデザインにも工夫配慮しました。

2. 顧客様による回答
お客様はスマートフォンでQRコードを読み取って、サイトにアクセスし10〜15問の質問に回答。

【 3 】集計・分析

1. アンケート集計
アンケートは回答直後にリアルタイム集計

2. NPSの算出(QS4Engageが自動で算出)
10点・9点をつけた人を「推奨者」、8点・7点をつけた人を「中立者」、6点以下をつけた人を「批判者」とし、推奨者の率から批判者の率を引いた数字(NPS)を算出。  

3. 店舗への通知

QS4Engageの通知機能や社内イントラネットなどを活用して集計内容やお客様のコメントを店舗に通知

インセンティブをつけなかった理由

アンケート回答へのインセンティブ(報酬)はつけましたか。

いえ、インセンティブはつけませんでした。当初はアクセス率、回答率を向上させるため、抽選による景品などインセンティブを設けることも検討しました。しかしインセンティブには回答の真実性を低下させるという副作用があります。

インセンティブを設けないと、回答数は減るかもしれません。しかしたとえ数は少なくとも、その回答こそお客様からの「本当のフィードバック」といえます。思い切ってインセンティブはつけないことにしました。

ただ実際には冒頭に述べたとおり、15週で5000件を超える回答が得られました。インセンティブがないと回答数が減るという心配は、当社が望む結果からみれば杞憂でした。

1回目の調査
~数値は良好だったが実感が湧かなかった

各回の調査についてお聞きします。1回目の調査はいかがでしたか。

1回目はすべてにおいて手探りの状態、NPS調査を知るためのステージでした。質問内容もベーシックな内容10問にとどめました。それでも「お客様に声をおかけしてカードを渡す」というのは、どの店舗にとってもハードルが高い行為だったようです。1週目は誰にも渡せず終わった店舗さえありました。

販売支援部からは、「カードを手渡すときには『店頭の接客の質を高めていきたいので、今後のアドバイスがありましたらぜひお願いします』とトークしてみてください」などアドバイスしました。

カードの手渡しは5週にわたり実施しました。QS4Engageではアンケートの結果はリアルタイムで集計・閲覧することができます。このときのNPS は、TEGによれば「アパレルの平均値を上回っており、BEAUTY&YOUTHのNPSは良好」とのことでした。しかし数字が良好といわれても、NPS初体験の私たちにとって、あまり実感がなかったのも正直なところでした。

NPS調査結果の店舗への伝え方

NPSの調査結果は店舗スタッフにどのように伝えたのでしょうか。

まずお客様から来た『良いコメント』については、店舗ごとに分別して、社内イントラで公開しました。これを見れば良い点数、コメントを多く獲得している店舗は自信を持つことができます。またそれ以外の店舗にも「自分達ももっと頑張ろう」という健全な競争意識が生まれます。

一方、「悪いコメント」については、「それは現場が責められるべきものではない」という考えのもと、本部主導で慎重に伝達しました。具体的には、低い点数、批判的なコメントが来たときは、まず私たち販売支援部【だけに】メール通知されます。その後、私たちが内容を精査し、これは現場に伝えるべきと判断したものについては、BEAUTY&YOUTHの各エリアの課長・店長に知らせます。その後、そのコメントをどう現場スタッフに伝えるかは現場に一任しました。

つまり「良いコメントはオープンに公開、悪いコメントはクローズドで対処」という方法を取ったわけです。いろいろ考え方はありますが、個人的にはこの方針で良かったと思っています。

2回目の調査
~店舗からのポジティブな反応

株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 お客様相談室 小林 貞裕氏
株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 お客様相談室 小林 貞裕氏

2回目のNPS調査はいかがでしたか。

2回目のNPS調査は1回目を行った3カ月後の2015年8月に行いました。実施店舗数は初回より1店増やした24店舗。質問内容も1回目から変えませんでした。

前回の調査で勝手が分かったので、2回目は販売支援部、店舗ともにスムーズに活動できたと思います。全体のNPSは1回目よりもアップ。店舗ごとに見ても、多くの店舗が1回目よりも数字が改善していました。

突出して高いスコアをたたき出す店舗も現れたのが、2回目の調査の特色でした。この優れた店舗の接客技術、声掛け技術は何とか他店舗に伝えたいところです。その店舗に依頼して接客シーン、声掛けシーンを動画撮影させてもらい、社内イントラに公開して、他店舗のためのマニュアルとしました。

店舗スタッフへの情報公開の方法にも改善を加えました。良いスコア・コメントをもらったスタッフは、各エリアの課長が「具体的に良かった点」というコメントをつけ、『週間MVP』のような形で公開しました。

2回目のNPS調査では、スタッフのモチベーション向上がハッキリ分かりました。社内アンケートでも「お褒めの言葉で接客が楽しくなった」「直接の声が良い刺激になる」「自分も真似をして次の接客に活かしたい」「素晴らしい取り組み、続けるべき」というポジティブな意見が多くありました。スタッフ一人一人が「良いスコアを獲得するにはどうすればいいか」を真剣に考えるようになり、販売支援部として嬉しく思いました。

クレーム件数の大幅減少

3回のNPS調査を終えて、クレーム件数に変化はありましたか。

3回目の調査を終えた時点で、クレームは対前年で27.5%減少しました。さらに弊社の全てのブランドの中で「BEAUTY&YOUTHがクレー ム数が最も少ない」という結果も出ました。さらにお客様からの礼状も前年比約140%と躍進し、これも全ブランド中でトップです。お礼状の内容の7割はサービスに関する感謝でした。(※ 2016年4月~7月末の4カ月での集計)

ミステリーショッピングとの
違いを再認識

3回のNSP調査・分析を振り返っての「やってみて分かったこと」などあればお聞かせください。

今回、NPSに取り組んだことで、「NPSとミステリーショッピングの違い、棲み分け」について理解が深まりました。

ミステリーショッピングは接客品質を計るための施策として、従来から定期的に実施していました。ミステリーショッパーには「店舗スタッフに笑顔はあったか」「言葉使いは問題なかったか」「送迎の挨拶はあったか」などをチェックするよう依頼していました。これは、「できていて当然と本部が考えていることを、現場が本当にやっているどうか調べる」という確認目的の調査であるといえます。一方NPS調査は、もっと「お客様のナマの声」「自由回答によるフィードバック」に近いものです。

NPS調査は、たとえば「来店したお客様にはいつどのように声かけするべきか」といった曖昧な命題を考えるときに有効です。自分がアパレル店舗に顧客としていけば分かることですが、お店からの声かけは多すぎても煩わしいし、なさすぎても放っておかれている気がします。店舗としては、その境目の「ちょうどよいときに声をかけてくれた!」とお客様が感じるタイミングを知りたいところです。そうした微妙な心理に根ざした命題を考える とき、NPS調査への回答のような誰に示唆されるでもなくお客様の自由意志で発せられた言葉は、とても役に立ちます。

写真左はTEGコンサルタントの中谷健一
写真左はTEGコンサルタントの中谷健一

今後の期待

TEGへの今後の期待をお聞かせください

3NPS調査・分析についてはこれまでBEAUTY&YOUTHで限定的に実施していましたが、現在は他の事業部・ブランドも興味を示しています。4回目の NPS調査はBEAUTY&YOUTHと他ブランドの同時実施を予定しています。経営層もNPSに大きな関心を示しており、将来的にNPSを経営指標の一 つとして使うことを検討しているようです。

当社では、今後とも顧客満足を通じた自社ブランド価値の向上のための施策に継続的に取り組む所存です。TEG様には、当社の そうした取組を、NPSに関する様々なツール、ソリューション、提案などを通じて継続支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

※ 株式会社ユナイテッドアローズ
※ 取材日時 2016年8月
※ 取材制作:カスタマワイズ