小売店の売上アップに直結するデータ解析ツール4選 〜アイビーコンより効果あり?

CS調査
9月29日に、小売り企業向けオムニチャネル推進セミナー 「人工知能で店舗課題を発見する最新事例とカスタマージャーニーによる顧客体験デザイン」を共催する株式会社ABEJAより、寄稿された記事を紹介します。(写真引用:flickr)
小売店売上アップに寄与する、iBeacon(アイビーコン)に代わる新しいツールの効果が実証され始めている
「モノはネットで買う」が普通の世の中、実店舗でのコストカットは必然的である。このトレンドの中で、マーケティング支援ツールとしてiBeaconなどの販促サービスが現れた。ただ現状、こう言ったツールによって目に見えて成果が上がった、という報告はあまり聞かない。
▼このあたりは、iBeaconに関するこちらの記事に詳しい
実店舗マーケティング担当者にとって、効果がまちまちなツールを導入するにはとても勇気がいる。
そこで、新たに登場したのが、店舗内外のリアルタイムデータを蓄積・解析しマーケティングいかしていくクラウド型ツールである。
どんなリアルタイムデータを分析し、どのようにいかしていくのか
ここでは、新たな実店舗マーケティング支援として注目を集めている、リアルタイムデータ解析ツールのいろはを紹介する。リアルタイムデータと一口に言っても、どのようなデータをどのように取得し、そしてそのデータ結果は何に生かすことができるだろうか。
主に、2つのタイプのデータ解析ツールが存在している。
- 店の外(前)のデータを解析する
- 店の中のデータを解析する
店の外(前)のデータを解析する
▼どのようなデータをどのように取得するのか
実店舗の立地予定場所・現立地場所の前の道路や歩道を高性能カメラで撮影し、人や乗り物の、時系列トラフィックを記録
▼どのようにいかすのか
- 狙っている年代や性別の人通りが集中する場所・時間帯に出店する
- 店頭セールの打ち出し方(ターゲティングメッセージの内容やタイミング) など
確実なデータに基づいたマーケティングを行うことで、効率よく売上をアップさせることができるようだ。
店の外(前)のデータを解析するツール2選
ツール1「Motionloft」
Motionloft provides “real-world analytics”, similar to what Google Analytics provides for websites.(Motionloftは、実世界を分析するが、それはウェブサイトでGoogle Analyticsがしていることと似ている)
引用:Motionloft: Google Analytics for Sidewalks
ツール2「Placemeter」
▼Placemeterに関しては、こちらも合わせてチェックされたい
NYから世界が変わる!注目のスタートアップ「Placemeter」とは?NYから世界が変わる!注目のスタートアップ「Placemeter」とは?
店の中のデータを解析する
▼どのようなデータをどのように取得するのか
監視カメラのように、実店舗の目立たない位置に解析カメラを設置し、非購入者を含む全来店者の、性別や年齢(顔認証)、動線(どのようなルートで回遊したか)、エリア別滞在時間などを記録
▼どのようにいかすのか
- お客様が買わずとも興味を示した商品のラインナップを変える(品揃えやキャンペーン内容に問題があって購入しなかった可能性がある)
- 滞在時間が短いエリアへの動線を改善する(動線が悪く、そのエリアに気づいていない可能性がある) など
どのサービスも、Google Analyticsのように、取得しているデータをリアルタイムでウェブ上で確認できることが特徴だ。
店の中のデータを解析するツール2選
ツール3「ABEJA Platform」
ツール4「Prism Skylabs」
【成功事例】P社の場合
イギリスでLondisというスーパーマーケットを2000以上運営するMusgraveグループは、Londisの新しいコンセプトストアに、P社のシステムを導入した。
客足が21%増加
既存の防犯カメラにインストールするだけ、という非常に低コストな導入。まず、店内の環境にフォーカスし、来店者が快適に感じる店舗づくりを徹底した。具体的には、
- 店舗の清潔さ
- 入店しやすい雰囲気、受け入れ体制
- キャンペーン打ち出しの明確さ
にフォーカスし、その結果、客足を21%増加させることに成功した。
売上が19%増加
また、Londisは、来店者の商品への反応を分析した。具体的には、
- 棚ごとの、商品への反応度(注目度)
- 売り場のエリア別滞在時間
を可視化し、売れ行きの悪い商品を、滞在時間の長いエリアへ移動させることで潜在ニーズを掘り起こし、売上を19%も増加させた。
店舗内回遊率が17%増加
さらなる顧客体験の改善を図るため、以下のようなデータも活用した。
- 来店者数
- 来店してからどこへ向かったか(動線)
- 人口密度
これらのデータを利用することで、商品棚や動線設計など店舗レイアウトの改善、来店者の増減に合わせたシフト最適化によって、回遊率を17%増加させました。
このように、目的を持ってデータを有効活用することで、如実に効果を出すことが可能となるのだ。
引用:The Musgrave Group: Driving 19% Revenue Growth with Prism
実世界のGoogle Analyticsが普通になる時代が来ている
「"真の"お客様第一主義」を実現しているのはどのような店舗か。
それは、お客様がストレスなく店舗をまわることができ、欲しいものが欲しいところに陳列されている場所であろう。実現するためには、店舗内・外データの取得、そして取得したデータの有効活用が不可欠だろう。
セミナーのご案内
9月29日(木)開催:小売り企業向けオムニチャネル推進セミナー
「人工知能で店舗課題を発見する最新事例とカスタマージャーニーによる顧客体験デザイン」http://www.engagement-forum.com/seminar160929
本記事で紹介した「ABEJA Platform」のデモや成功事例も紹介します。
ぜひご参加ください!