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    2015.06.29 エンゲージメント
    【事例紹介】パート定着・戦力化のポイント クリーニング屋ではなく“喜久屋で”働きたい人づくり

    こんにちは、働きかた研究所 平田未緒と申します。私はこれまで、パート・アルバイトさんが活躍している企業を、約20年にわたり取材し続けてきました。その経験から、パート・アルバイトさんが活躍している企業には、共通点があることがわかりました。企業側(社長・店長・正社員)と、働く側(パート・アルバイトさん)が、相思相愛の関係にあることです。

    相思相愛とは、企業側が「この人に働いてほしい」「この人に働き続けてほしい」、働く側が「この会社で働きたい」「働き続けたい」と思い合う関係。・・どこかで聞いたような? そう、要はエンゲージメントなんですね。

    というわけで、今後この「エンゲージメントブログ」で、企業とパート・アルバイトさんとのエンゲージメント、つまり「心のつながり」を作るポイントを、私が取材した「相思相愛」な企業取材事例をもとに、ご紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

    クリーニング工場で働きたい人なんていない!?

    nakahatashachou
    株式会喜久屋の中畠信一社長

    「クリーニング工場で働きたい人なんて、そもそもいないと、僕は思っているんですよ」。

    東京都足立区に本社を置くクリーニング業・株式会喜久屋の中畠信一社長は、取材の冒頭でこう、言い切りました。各家庭などから出された衣料をクリーニングする工場は、働く人にとって、それほど過酷な環境だというのです。冬は底冷えがし、夏は蒸し風呂。そんななか立ちっぱなしで、重い衣類をクリーニングの機械に入れ、出し、洗いあがったものをどんどんプレス。スピードが求められる一方で、お客さまの大事なお洋服を、粗雑に扱うことは許されません。シルクや高級カシミアなど繊細な素材は、ちょっとした扱いミスが命取りになってしまいます。

    多くの人が敬遠し、あるいは「やっぱり無理」と早期に辞めてしまうのも致し方ない職場。ところが中畠さんは、こう続けます。「なのにうちの社員はやめないんです。パートでも20年選手、30年選手がざらですよ」。いったい、なぜなのでしょうか。

     

    厳しい労働集約型職場だからこそ「発想の大転換」

    その解を書く前に、喜久屋の歴史を見てみましょう。創業は1956年。中畠さんのお祖母さまがはじめられました。その後法人化し、初代社長に就いたのが中畠さんのお父様。おのずから子どものころから中畠さんは、蒸気が立ち込める工場で、終日の立ち仕事の厳しさを目の当りにしながら、育ちました。冒頭の「クリーニング工場で働きたい人なんて、そもそもいないと、僕は思っているんですよ」という言葉は、こうした体験に基いていたのです。

    同時に中畠さんは、クリーニング業が「人」なくしては、成り立たない、きわめて労働集約的な仕事だということも、早くから理解していました。そして考えたのです。「単なる厳しい職場のままでは、景気が上向き、ひとたび売り手市場化すれば、働き手は簡単に他社に移ってしまうに違いない」

    では、どうするか。考え抜いた結果、出てきたのは、発想の「大転換」ともいうべきアイデアでした。

     

    クリーニング屋ではなく“喜久屋で”働きたいと思ってもらう!

    そのアイデアとは、「クリーニング屋ではなく “喜久屋で”働きたいと、思ってもらえるようにすればいい」。要するに、クリーニング工場で働く厳しさを、カバーしてあまりある価値を、喜久屋で働くことで得てもらえばいいじゃないか、というわけです。

    以来、中畠さんは徹底して「自社で働きたい」と思ってもらえるための、努力と工夫を重ねてきました。それも、従来「男の職場」とされてきたクリーニング業界にありながら、先代社長の『これからは女性の時代だ』との考えから、早くも昭和40年代から、「女性が」働きたくなる職場を、追求してきたのです。

    その結果、本部と直営店、そして工場で働く従業員150人のうち、今では約9割を女性が占めるまでになりました。うち130人がパート、取締役を含む正社員が20人という構成です。雇用形態に関わらず、勤続年数は概して長く、先の中畠さんの言葉にあったように、パートでも勤続20年、30年は珍しくありません。正社員登用制度もあり、その後役員にまで昇格した2人は、いずれも50代の女性。うち1人は勤続27年。もう1人は16年で、名実ともに、中畠さんの片腕です。

     

    働く人は、それぞれの価値観と環境で、働く場所を決めている

    働く人は、その人それぞれの価値観と、その人それぞれの置かれた環境によって、自分が働く先を決めています。そこで働くか、働かないか。働き続けるか、続けないかを決めるのは、多様な判断軸に基づくシーソーバランスのようなもの。

    特にパート・アルバイトとして働く人は、限られた時間しか働けないからこそ、「どこで働くのが、自分にとって一番なのか」「どれだけ働くのが、自分のベストバランスなのか」を、とてもシビアに判断していると言っていいでしょう。

    パート・アルバイト希望者にとって、自社が魅力ある職場になっているのか、一度見直してみるといいかもしれません。「魅力ある職場づくり」に成功した喜久屋さんで、これほどの成果を出しているのですから。

    取材・文/株式会社働きかた研究所 代表取締役所長 平田未緒

    出典/http://hatarakikata.co.jp/horeta-kaisha0603/

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