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    2015.08.21 従業員エンゲージメント
    良い人材に選ばれ、魅力的と感じてもらえる企業になるために大切な「EVP」(パートI)

    採用面接に立ち会ったことがある方なら、マニュアル通りの模範解答に不満を感じた経験があるのではないでしょうか。そのような決まり文句は、どこの会社でも同じようなことを言っていると感じられ、心に響くことはありません。また、当然その人を雇いたいという気持ちにもならないはずです。

    逆に考えてみるとどうでしょうか? 仕事を探す側はまず、応募したいと考えている会社のことを調べるはずです。もし会社概要が競合と似たり寄ったりの美辞麗句が並べられていたとしたら、応募者の心には響かず、他に心惹かれる会社への応募をするのではないでしょうか。

    2015年8月に発表された文部科学省の学校基本調査によれば、今春の大学卒業者の就職率は72.6%となり、21年ぶりに70%台に回復しました。また、厚生労働省が発表した、2015年6月の有効求人倍率は1.19倍ということで、新卒者や転職者にとって仕事の選択肢が多い“売り手市場”という状況になっています。

    だからこそ今企業に求められるのは、企業の未来を創ることができる人材に「この会社で働いてみたい」「この会社にずっと貢献したい」と思ってもらうこと。そのためのキーワードが「EVP」です。

    就職先としての魅力が薄い日本企業

    アジア最大の求人サイトのジョブストリートと、人事コンサルティングのエーオンヒューイットが、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、バングラディシュ、ベトナム、およびタイの8カ国で求職活動をしている人を対象に行った共同調査では、回答者のうち78%がアメリカ企業を好ましい就職先として選択、次いで、イギリス、オーストラリア企業がランキングの上位に。日本企業の総合的な人気度は60%で、調査対象となった企業の国籍ランキングでは12カ国中第5位という結果になりました。

    国別に見ると、アメリカやイギリスの企業が84%、78%という高い数値を記録しているのに対し、日本の人気度は一番高い国でも66%。

    この調査結果について、ジョブストリート・アセアンビジネスコンサルティング取締役の菱垣雄介氏は

    最も印象的なのは、好ましい就職先という点でアジア企業がいかに遅れをとっているかということです。(中略)アジア企業は、自国内およびアジア地域全体の両方で、自社のバリュー・プロポジションをより一層強化し、自社に必要な人材を引きつける努力が今後一層必要になるでしょう

    とコメントしています。深刻な人手不足が問題となり、外国人労働者の雇用がどんどん進んでいるという現状からも、日本国内外の人材にとって「魅力的な企業」になることは、成長はもちろん、存続にも重要な意味を持つのではないでしょうか。

    従業員にとって魅力的な企業独自の価値(EVP)

    前述の菱垣氏のコメントにもあった「自社のバリュー・プロポジション」とは「Employee Value Proposition/エンプロイー・バリュー・プロポジション」、略して「EVP」を指しています。EVPとは従業員にとって、その企業で働く価値・魅力的な価値のことで、端的に言えば「企業ブランド」となるでしょうか。良い人材に選ばれ、魅力的だと感じてもらえる企業になるための、自社にしかない価値を提供する考え方です。報酬や福利厚生はもちろん重要ですが、それだけに人は惹きつけられるわけではありません。企業側も報酬だけでの競争では意味がないということに気づき、働き手に何を価値として提供できるのか、他の企業には真似できない自社の価値とは何か、を真剣に考える必要があります。

    ここで、多国籍社員で構成されたグローバルカンパニーの代表企業と呼ばれている日産のグローバルリクルートサイトを見てみましょう。

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    日産という会社の魅力を社外の人に伝えるために、会社概要、企業文化、職務内容、社員紹介などの情報を充実させ、求めている人材を明確にした上で、それを自社の採用ブランドとして前面に出してアピールしています。

    日産自動車の社長兼CEO、カルロス・ゴーン氏は常々、人財を育成して事業を展開することの大切さを語り、人財に対してしっかりと投資をし、育成をし、モチベーションを上げていくことが事業の鍵だと繰り返し述べています。それが結果、報酬や福利厚生だけではなく、人や仕事の魅力、“日産のEVP”を存分に伝える魅力的なグローバルリクルートサイトにつながったように思います。

    実際日産は、米フォーブス誌が発表した「アメリカ人が選ぶ働きたい企業ランキング」(2015年版)で42位となり、55位だったアップル社よりも上位にランクインしています。これはEVPを確立したからこそとも言えるのではないでしょうか。

    EVPについては来月もう少し具体的にお伝えする予定です。ぜひこの機会に、エンゲージメントフォーラムのメールマガジン(隔週火曜日配信)にもご登録ください。

    SHAR

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