スターバックスが高い顧客価値を創造することができた理由とは?

エンゲージメント

2019.10.4 追記

スターバックスは、常に顧客に提供できる価値を考えている企業だと思います。仮説があり、それを検証し、改善を図っていく。
多くの企業が当然だと思ってはいるけど、なかなか実践できないことですよね。この記事では、スターバックスが考える顧客に提供する価値と、顧客理解の必要性について説明したいと思います。

スターバックスが提供する価値

スターバックスマニアックス』(小学館文庫)の中で、同社の会長兼社長兼CEO、ハワード・シュルツ氏はこう話します。

ある統計によれば、私たちの年代は、両親の世代より年間100時間以上多く働いているといいます。加えて、携帯電話やメール、ファックスなど、プレッシャーを生み出すものがたくさんある。スターバックスは、そういうものから逃れて休息する場所、オアシス。私たちは店を「サードプレイス」といって、自宅と職場の間というポジションだと考えています。そして、そこで生み出されるのは「コミュニティー」というフィーリング。店を訪れた人同士がつながる、スターバックスはそういう場を提供しているのです。

家が1番目の場所(ファーストプレイス)、職場が2番目の場所(セカンドプレイス)だとしたら、家でも職場でもない3番目の場所(サードプレイス)としてスターバックス(以下スタバ)は私たちの特別な場所になりました。

ただ、決してスタバのコーヒーが特別おいしい、というわけではありません。他にもおいしいコーヒーを出してくれるお店は多くあります。でもなぜか「コーヒーが飲みたい」=「スタバ」という図式ができあがっている人も多いのでは。ではなぜそのようにスタバは私たちを惹きつけ、高い顧客価値を提供することができるのでしょうか。

①「コーヒーを買う」という体験そのものに価値がある

シュルツ氏は、コーヒーを提供するということだけでなく、「コーヒーを買う」という体験そのものに力を入れました。一昔前であれば、アメリカではコーヒーはダイナーなどで1ドル程度で飲めて、しかも飲み放題、というのが定番でした。でもシュルツ氏は、お店のオシャレなインテリア、間接照明、くつろげる音楽、フレンドリーなスタッフなどにこだわり、その体験の価値をぐっと上げました。だからコーヒーの味や値段はさほど気にならないのかもしれません。

私も前職で、オフィスビル内にあったスタバによく通っていたのですが、スタッフの方々に「いつもありがとうございます」と言われるようになった時は嬉しかったもの。ランチで訪れるレストランやクリーニング店など、よく通っていたお店の人には言われたことがなかった上に、いつも500円くらいしか使わないのにそんなこと言ってもらえるなんて! と妙に感動したのを覚えています。どんなに忙しくても笑顔とあいさつを決して忘れないところも好印象で、そんなことがスタバの体験価値をさらに高めました。

他のお客さんもきっと、スタバでしかできない体験にお金を払いたくなるのでしょうね。

②“ご褒美感”がある

行動心理学者のダン・アリエリー博士によると、私たちの脳は「これはいい」と思ったものをより楽しめるようにできているのだとか。だから実際スタバのコーヒーが他のお店で飲むコーヒーと大して味が変わらなかったとしても、ブランド名、体験、そして愛着心の効果で、脳が「スタバのコーヒーはどこよりもおいしい!」と思うのだそう。

そんな風に特別おいしく感じるスターバックスのコーヒーは、決して安くはないけれど、頑張る自分へのご褒美として、ワンランク上ながらも手の届く小さな贅沢品。お店に足を踏み入れた時のほっとする感覚、店員さんとの挨拶、飲み物ができるまでのワクワク感、お気に入りのソファーでゆっくり過ごすひとときなども、家や職場では得ることができない自分へのちょっとしたご褒美のような気がします。

③馴染みがある

例えば朝通勤中に「コーヒー飲みたいな」と思ったとします。恐らくその時、多くの人がスタバを思い浮かべるかもしれません。また、いつもとは違う街や国へ行ったとしても、スタバに行けばいつもの味やサービス、雰囲気に出会うことができる安心感や、居心地の良さがあります。

私も不思議なことに、チェーンのコーヒーショップとは無縁そうなビーチリゾートに行った時でも、朝は必ずホテルのコーヒーよりもスタバのコーヒーを欲します。「スタバは近くにあるかな」とインターネットで探して一店もない時はがっかり。でもそれこそがスタバのブランディングとポジショニングの強み。サードプレイスは確実に私たちの生活に根付いているようです。

スタバのような高い顧客価値を生み出すには、顧客エンゲージメント強化プロセスの最初のステップにある
「ビジョンやミッションの的確な伝達」や「優れた顧客体験の提供」
が欠かせません。

そうすることで企業やブランドへの共感や愛着が生まれ、顧客価値やロイヤリティの向上、顧客数の増大や持続的成長につながります

顧客理解に対する取り組み

自分たちが創りあげた顧客提供価値が顧客に受け入れられているのか検証していく必要があります。

あなたの会社では顧客理解出来ていますか?
あなたの会社の常連客は全体の何%でしょうか?
あなたの会社の常連客の定義は?
今のお客様がなぜあなたの会社と取引してくれているのでしょうか?
あなたのお客さまは、その取引で満足してくれていますか?

上記の質問に答えられない企業が多くあります。

ある米国の調査では、CEOは自社の提供しているサービスは顧客に満足を与えていると回答している人が80%です。
しかし、その顧客に実際に満足度を聞くと満足していると答えた方は8%との結果でした。

顧客理解がしっかりと出来ている企業は、当然顧客からの支持が得る事ができるので高業績になります。

以下のような数字もあります。
・顧客は、ポジティブなものよりもネガティブな経験を共有する可能性が2倍あります。
・顧客の86%は、より良い顧客体験のために、より多くのお金を払うでしょう。

これまでは、競合相手との差別化や新商品の開発・リリース、話題作りやユーザーレビューに一喜一憂していた企業も、これからは先ず「顧客理解」が必要です。

お客さんは何を求めて、何に満足してくれているのかを考えなければいけません。

あなたの会社の顧客には、あなたの会社のサービスを通してどのようになってもらいたいのですか?

その理想の姿を求めて、どのような価値を提供していくかを考えていくと良いでしょう。

すると、共感してくれる仲間、お客さまが現れ、商売が成り立ち、事業に育っていくと考えます。
また、お客さまだけでなく、応援する社員が増えていき企業体として成立することになります。

そのためにも、先ずは顧客理解の仕方には顧客を理解するための基礎データは4つあります。


1、「デモグラフィックデータ」と言われ、性別、年代のほかに、居住地、職業、年収など顧客を理解する上で、最も基本的なデータです。
2、「心理的データ」で、サイコグラフィック属性などともいわれます。価値観やライフスタイル、商品カテゴリ関与度など、外的な要因ではなく内的な要因で決まるデータです。従来のマーケティング手法として盛んに活用されてきました。
3,「行動履歴データ」は、サイトの検索、閲覧データや購買履歴データなど現実の行動データです。また、最近ではIoTの普及により店頭内での行動なども可視化する動きもあります。

これらの基本的なデータはもちろん重要ですが、リアルタイムに顧客の声を聞くことが最も重要です。

商品購入時のアンケートやコンタクトセンターなどに集まってくる声を分析していくことで、「今」、顧客が何を求めて、どこに価値を見出してくれるかがわかります。またネガティブな声からは、改善点もみていくことができるでしょう。

是非、正しい方法で、自分たちのお客さんが何を求めて、自分たちのどこに満足してくれているのか調査してみてください。そして、そのお客様に更に喜んでもらい、ファンになってもらうことを目指していくお手伝いをさせてください。

引用:http://www.business2community.com/customer-experience/buyer-psychology-customer-value-people-buy-starbucks-coffee-0995182